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Magicians Circle  作者: ransu521
修学旅行編
170/309

旅館にやってきた

それから俺達は、色々回ったな。

金閣寺に銀閣寺。

その他もろもろ……明日もある為、奈良の大仏等はまだ見ていないけど。

そこからバスに揺られること数時間。

夕方の4時50分頃に、俺達は二泊三日で泊まる旅館にたどり着いた。

……てか、八クラスもあるのに、よく旅館も泊める気になってくれたな。


「旅館の人も気が長いんだね~」

「……金が入れば何でもいいって感じだよな。どちらかって言うと」


でも、見た感じで言えば、結構広そうな感じの旅館だ。

聞けば、風呂は露天だという話だ。

極めつけは、何とカラオケボックスまであるのだとか。

……旅館まで来てカラオケボックスかよ。

せめて宴会用の、小型のやつを各部屋に設置でとかにとどめておけよ。

あ、そうすると音が外に漏れてうるさいか。


「ほれ、瞬一。ボサッとしてないで中に入ろうぜ」

「ああ」


晴信に言われて、俺は旅館の中に入る。

ロビーには、あらかじめ前日に俺達が送っておいた荷物が置かれていた。

そこから自分の荷物を探し出し、それを持って部屋に入るのか。


「えっと、俺のカバンはっと……あったあった」


大きい旅行カバンを見つけた俺は、すぐさまフロントに鍵をもらい、


「鍵はもらったから、先に部屋にいるぞ」

「おう」

「分かった」


大和と晴信、そして大地にそう告げてから、俺は一足早く部屋に向かった。

あ、ちなみに部屋のメンバーはこの四人なんだ。


「えっと……二一五、二一五っと……あった、ここだな」


今回の修学旅行は面倒くさい部屋割をしていたりする。

男子は偶数階で、女子は奇数階という、なかなか異質な並び方をしているのだ。

つまり、S・A・B・Cの男子が二階、女子が三階。

D・E・F・Gの男子が四階、女子が五階という振り分け方だ。

……なかなかに奇妙な分け方するな、うちの学校も。

そんな中、俺達の部屋は、ある意味絶好のスポットでもある。

階段のすぐ近くの部屋であり、先生の部屋である二○三からは遠い位置にある。


「晴信は確か、夜中に女子の部屋に飛び込むぜとか言ってたっけな……」


それじゃあ完全に犯罪だ。

ていうか、モラルがなっちゃいないと言った方が正しいか。


「今日の俺は、全力で晴信を止めることにあるのかも知れないな……」


ホテルならまだしも、今回俺達が泊まるのは旅館だ。

しかも、露天風呂だ。

と言うことは、男子と女子の風呂の仕切りは……あってないような物とでもいえるだろう。

まさかコンクリートの分厚い壁がドンと置いてあるわけじゃあるまいしな。


「てか、そこまでするんなら部屋風呂にしとけって話だよな」


とりあえず愚痴はここまでにして、俺は部屋の鍵を挿して、中に入った。


「……おお」


中は、質素な、しかし綺麗で広い和室だった。

部屋の中央には、テーブルが置かれていて、人数分の座布団が敷いてあった。

何より、窓から見える風景が、もう美しいんだよ。

いつまでもこの風景を見たくなるような……そんな感じ。

山が遠くに見え、ひょっとしたら朝日が拝めるかもしれない。

今何か、夕暮れ時に合っているかのように、夕日が山の中に沈んでいく風景が見えてるくらいだ。


「こんな部屋だったら、飽きないかもしれないな」


これだけでも、ここの旅館に対する俺の好感度は、かなり高いものとなっていた。

いやぁ、この修学旅行は収穫が多いぜ、本当に。


「さて、他の奴らが来る前に、荷物整理っと」


俺は他の三人が部屋に来るまでに、荷物の整理を済ませてしまうことにした。
















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