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Magicians Circle  作者: ransu521
修学旅行編
168/309

清水寺にやってきました

晴信に起こしてもらったところで、そこは清水寺だった。

清水の舞台から覗くことが出来る光景というのは……結構いいもんだなぁ。

木々が生い茂っており、他の参拝客が小さく見える。

……こんなに綺麗な場所から人が飛び降りるなんて、信じたくないよな。


「おい、思考がネガティブ方向にいってないか?瞬一」

「ん?俺、また口に出してたか?」


ふと横を見ると、いつの間にか大地が立っていた。

手すりに寄りかかり、大地もまた、俺と同じようにこの光景を眺めていた。


「場所によって、人によって、随分と違う印象を受けるよな……この国って」

「まぁ……そうだな」


突然大地が何を言っているのかよく分からないけど。

確かに……その通りだとは思う。

俺は、ここから見る景色を、『美しい』と思える。

しかし、例えば毎日ここからの風景を眺めている人達から思えば、『相変わらずな風景』と思うかもしれない。

例えばそれがこれから自殺する人だったら、『自分の目に焼き付けることのできる最後の光景』になるんだろうな。


「結論から言ってしまえば、人の考えることなんて、人それぞれだってことだよな……」

「……なぁ大地。お前、何言ってるんだ?」

「……こんな場所に来たから、俺もどうかしてるのかもしれないな」


……それって、大地なりにはっちゃけてるってことか?

そうだよな?そうだって言ってくれ!!


「何取り乱してるんだよ……まぁ、いつまでもこんな平和が来ればいいなとは思ってるけどよ」

「……ん?」


今の言葉を言った時の大地の顔が、一瞬だけ寂しそうだったな……。

気のせいなのか……本当に意識してそういう顔にしたのか。


「なぁ大地、お前……」

「何湿っぽい空気醸し出してんだよ、お前ら!」


ドン!と誰かが後ろからぶつかってきた。


「痛いっつの!……って、お前か晴信」

「瞬一!早くこっちに来なよ~!こっちからも景色も綺麗だよ~!!」

「分かったって!今このアホを撃退したら行くから!!」

「何で俺を撃退するんだよ!!」


反応してる時点で、自分がアホだということを自覚してる証拠だな。


「何というか……うざいから?」

「そんな単純な理由で人を殴ろうとするな!!」

「殴る?魔術かけるの間違いじゃね?」

「もっとひどいわ!!」


まぁ晴信を弄るのもこの辺にしといて、と。

葵達が呼んでるんだったな、そっちに行かないとな。


「よっしゃ!どれどれ……」

「ってこら!俺を置いてくな!!」


ハハハハハ~!!

修学旅行って楽しいなぁ~!!


「テメェ俺のことをアウトオブ眼中にしてるだろ!!」

「え?何?聞こえない?」

「ぶっ殺してぇ……」


怒っている晴信は放っておこう。


「ほら大地、お前も……っていねぇし」


いつの間にか大地は、どこかにいなくなっていた。

……時々俺には、アイツが分からなくなる時がある。

まぁ、知り合ってから一ヶ月ちょいくらいしか経ってないし、当然と言ってしまえばそれまでなんだけどな。


「さぁてと。で、葵?どこからが綺麗だって?」

「ここからだよ!」

「……おお。凄い風景だ」

「ですよね……」


葵の他にも、春香が俺の隣にはいた。

……大地の言葉を借りるわけでもないけど、こんな平和な時間が、いつまでの流れてるといいな……。

最近、学校の方でも事件が起きてるって話だからな……。

だから、今だけでも、せめてこの修学旅行中には、何の事件も起きませんように……。


「次はあそこに行ってみましょうよ!」

「何だよ北条……お前までここにいたのか」

「何よ、いちゃまずいかしら?」


そういうわけじゃねえけどよ……。

てか、北条がいるということは……。


「ん、何だい瞬一?」

「やっぱりか……」


大和がいて当然だという話になる。

んで、北条が次行きたい場所というのは……地主神社か。

どんな所なのか、行ってみるのも悪くはないな。
















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