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Magicians Circle  作者: ransu521
神山織編
161/309

お前らまでいたのか

久しぶりの闘技場は、何処か広く見えた。

こんなにでかかったんだな……うちの闘技場は。


「部活で会うのは久しぶりね、瞬一先輩」

「まぁ……期末試験の後の部活は、あってなかったようなものだったからな」


実は期末試験が終わったその日も、我が部活は活動があったのだ。

ところがその時やったのは、俺が帰って来た記念パーティー的な何かだった。

……別にそこまでする必要はないって言ったんだがな、如何せん葵と晴信の発言力が強くてな……。

勝手に失踪していた俺には、そのことに関する発言力はまるでないからな。

その日はみんなからの好意(なのかどうかは不明だが)を甘んじて受け入れることにしたのだ。


「こんにちは、瞬一先輩」

「おう。優菜もな」


どうやらこの二人は先に来ていたらしく、すでにサンドバックが地面に転がっているのが見えた。

魔術の練習をしてたのか……感心感心。


「ところで、ビーバー先輩とアゴ先輩は?」


その時。

刹那の口からそんな言葉が出てきた。

……ビーバー先輩に、アゴ先輩?

誰だ、そりゃ?


「あ、そう言えば瞬一には言ってなかったよね……実は瞬一がいなかった時に、晴信に入部したいって言ってきた人がいたみたいなんだよ。それが……」


葵が何かを言いかけたその時だった。


「コラ!誰がアゴ先輩だ!?」

「ビーバー先輩って……どういうことだよ!?」


……あれ?

どうして啓介と小野田の二人が入って来たんだ?

コイツら、確か部活は無所属だった筈だけど……まさか。


「その、まさかなんです……」


春香が何やら困ったような表情を浮かべて、そう言った。

……え、マジで?

真面目にコイツらも入部したのか?

魔術格闘部に?

……いやいや、ご冗談を。

啓介はいいとしても、小野田が?

コイツ……魔術使うの滅茶苦茶下手くそやんけ!


「おいそこ……声に出てるぞ」

「あれ?隠すつもりもなかったけど、口に出してたみたいだな」


にしても、呼び方が明らかおかしいだろ。

ビーバー先輩にアゴ先輩って……って、あれ?


「意外と、違和感がない……」

「でしょ?私だって何も考えずに名前を考えたわけじゃないのよ。ちゃんと相手の特徴を読み取って、それからつけたんだから」

「人の観察をするのは別に構わないけど、せめてビーバーはやめてくれないか!?」


啓介が全力で拒否するも、刹那は呼び方を改める気はなさそうだ。

なんというか……啓介が哀れだ。

あっ、小野田は別な。


「……おい、そこ。今、お前は凄くぴったりだなとか思っただろ」

「ん?そうだけど」

「少しはフォローしようとかはないんですか……?」


春香がそんなことを呟く。

いやいや、そんな気は起きる筈がないだろ。

何せ、相手はやられ魔王だぞ?(晴信から聞いた)。


「ていうか、お前らはテスト無事だったんだな」

「世界史で地獄を味わったけど、なんとかなった……」


ほうほう……啓介は世界史が苦手なのか。

後でそのことについて追及するか。


「それじゃあ今日の部活を始めるけど……」

「対戦相手は、三矢谷瞬一で頼む」

「え~」

「え~じゃない!!」


面倒くさいやつだな、本当に……。

まぁいいや、いっちょ遊んでやるか。
















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