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Magicians Circle  作者: ransu521
神山織編
155/309

我がクラスに転入生

葵も泣き止んで、担任が入ってきたところで、


「え~それでは今日は転入生を紹介するぞ~」

「転入生……」


うん、身に覚えがありまくりで困るぜ。

参ったな、高い確率でアイツだよな……。


「男か?それとも女か!?」

「男だ」

「「「「「あ~あ」」」」」


男子生徒達の落胆の声が聞こえてくる。

……ここ、S組だよな?

どこのクラスでも、男子ってのはこういう奴らなのだろうか。


「どんな人ですか?」

「それは見てのお楽しみだ。というわけで、早速入ってもらうか」


そう言うと、担任は扉に向かって歩き出し、扉をかるく開き、外にいるだろう転入生に向かって何かを話す。

しばらくして、

そしてスコチ経ったらすぐに戻って来て、言った。


「というわけで、転入生に入ってきてもらおう。入ってきてくれ!」


扉の外に向かって、担任はそう告げた。

すると、


「……やっぱりか」


およそ予想通りの人物が、教室に入って来た。

グレーの髪、縁なしの眼鏡。

その人物の名前は……。


「森谷?!」

「……え?」


大和が驚いたような声を出したのは珍しいな……。

あ、そういえばコイツ、確か大和の古い時からの友人だって言ってたな。

晴信が言ってたことを忘れる所だったぜ。


「というわけで、今日からこのクラスに編入することになった、森谷大地だ。森谷、早速自己紹介してくれ」

「はい」


大地は担任の言葉に答えると、


「今日からこのクラスに編入することになりました、森谷大地です。前にここに来た時は、『学校破り』ということで来て、みんなに迷惑をかけたと思います」

「いや、むしろ面白かったぜ?お前と大和の勝負」

「ですね。お二人共強かったですし」


大地の言葉に、晴信と春香の二人が言う。

ああ……見たかったなぁ、二人の戦い。


「そして、小野田は出落ちだったわね……」

「そ、それは言わないお約束だよ……」


北条が何やらそんなことを言って、葵が困ったような表情を見せながらそんなことを言った。

ちなみに、北条も下の名前で呼んだ方がいいかなと思って呼んでみた所、


「やめてよ。私の下の名前を言っていいのは、私の家族と大和君だけよ(`ヘ´)」

「……分かったよ」


顔文字つきで言葉が返ってきたので、北条は今まで通りに呼ぶことにした。

大和は……なんとなく名字呼びの方がしっくりくるので、今まで通り『大和』でいくことにした。


「これからは、共に勉学および部活動に励むことになると思いますが、どうぞよろしくお願いします」


そう言ってから、大地は一礼。

すると、


「よろしくな、森谷!」

「一緒に期末試験頑張ろうね!」


など、歓迎の声がわきあがってきた。

……そう言えば、期末試験が近かったんだっけか。


「一ヶ月休んでたから、授業が全然分からない……」


致命的なミスだ……。

ていうか、半分以上俺の意思じゃないのに……なんて理不尽な仕打ちなんだ。


「そういうわけだ。とりあえず森谷は……そこの席が開いてるな。よし、そこの席に座れ」

「……ん?あそこって確か……由雪の席じゃなかったか?」


開いてる席なんてうちの教室にはなくて、あそこは確か由雪迅の席だったはず。


「……お前が居なくなった一週間後にな、由雪迅が学校に来なくなったんだよ」

「学校に来なくなった?」


……また何か嫌な予感がする。

そんな不安に縛られながらも、俺はカバンから今日の授業の準備をする。

……あ、教科書忘れた。


「後で話がある。来てくれるか?」

「……ああ」

「……ん?」


大地が、大和の席を通り過ぎる時に、そんなことを言ったような気がしたけど……気のせいかね。
















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