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Magicians Circle  作者: ransu521
サマラ編
145/309

モテラスの持つ力

パァン!

見事に銃弾は、窯に命中し、窯は跡かたもなく粉砕した。


「よしっ!これで影は噴出しなくなった!後はアムステルダムを倒すだけだ」

「……アムステルダム、覚悟はいいな?」

「……」


窯を破壊されたアムステルダムは、焦ることもなく、余裕を見せることもなく。

ただ、その場に無表情で立っていた。

その顔からは、何を考えているのかは分からなかった。


「……モテラスを援護するぞ、みんな!」


誰かの声に応えるかのように、一同はアムステルダムのところまで駆けていく。

だが。


「……ふん。貴様らのような餓鬼にやられるほど、私もお人よしではありませんよ!!」

「なっ……!」


なんと、アムステルダム自身の周囲に、何個もの魔法陣が出来あがったではないか!


「我に害する愚かな者達に、闇の裁きを下す……ダークストライク!!」


その魔法陣は、まさしく今この場に居る人達分の……十三個。

それらの魔法陣から、同時に先ほどの攻撃が繰り出される。


「さ、さすがにこれは避け切れません!!」


美姫が半ば叫ぶような形で言った。

その時だった。


「みなさん……その場に留まっててくださいね!!」

「モテラス?……何をする気だ?」


瞬一はモテラスに尋ねる。

だが、モテラスは何も言わない。

攻撃は、間違いなく自分達の方に近づいてくる。


「……内なる力を解放せよ。我は光を統べる者の使徒なり。その力を、今ここで開放する!!」


カッ!と強烈な光が発せられる。

ネックレス……いや、モテラス自身からもまた、その光は発せられていた。


「こ、これは……まさか貴様……」


さすがのアムステルダムも、モテラスのこの行動には驚いていた。

ただし、一同にはモテラスが何をしているのか、さっぱり理解出来なかった。

だが、次の瞬間。


「……え?」


麻美が驚きの声を挙げる。

そのわけは、自分達に向かってきていた攻撃が、音もなく綺麗に消えてしまったからだ。

それは、先ほどモテラスがアムステルダムの攻撃を打ち消したのとまったく同じ。

だが今回は、その規模がかなり違っていた。


「……デタラメだ、あり得ぬ。こんなことがあってもいいというのか……」


攻撃をすべて消されてしまったアムステルダムは、その場に茫然と立ち尽くすばかりである。

そして、モテラスは、


「う……」


バタン。

その場に、力なく倒れてしまった。


「も、モテラス!!」


すかさず亮介が走り寄る。

瞬一達もまた、モテラスを囲うように歩み寄ってきた。


「だ、大丈夫か?」

「……少し、力を使いすぎたようです」


見た目は無事そうだった。

外傷もなく、命に別条はないだろう。

ただ、力を酷使しすぎたせいで、立てる状態ではなくなったのだ。


「……みなさんに、お願いがあります。僕の力を、少し分けますから、何としても、アムステルダムを、止めてください……」

「ああ。必ず止めて、この世界を、すべての世界を守ってみせる。だから、お前は安心して寝てろ」

「では、手を前に……」


言われた通りに、一同はモテラスの前に手を差し出す。

すると、モテラスは一旦目を閉じて、その手の上に、自らの手を乗せる。

瞬間、先ほどの光が発せられて、十二人分の手の中に吸収されていくのが目に見えた。


「この力を使ってアムステルダムを攻撃すれば、恐らく倒せるでしょう。ですから、どうか、彼を止めてください……!!」

「……分かった。なんとしても、止めてみせるよ」


直行は、黙ってモテラスの体を安全な場所まで運ぶ。

そして一同の場所に戻り、アムステルダムのことを睨む。


「……モテラスが抜けた今、この私が貴様らに負ける可能性などない」

「それはやってみなくちゃ分からないだろうな……けど、モテラスは決して抜けてなんかいないぜ」

「む?」

「モテラスは……私達と共に戦ってるのよ。だから、実際に戦うのは十二人だけど、力は十三人分の力よ!!」


竜平と美紀が、アムステルダムにそう言い返す。


「下らん戯言は……そこまでにしろ!!」


アムステルダムはそう叫ぶと、右手を地面に勢いよく叩きつけた。

瞬間、そこに魔法陣が展開し、そして……。
















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