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Magicians Circle  作者: ransu521
サマラ編
136/309

いざ出陣!!

「みんな、いるか!!」


バン!と扉を開いた所、何か人が倍に増えてないか?


「ああ……瞬一が帰ってくるちょっと前に、人が増えたんだよ」

「そうだったのか……」


さて、ここで増えた人達に自己紹介をしてもらうか。


「それじゃあ、これで十二人全員が揃ったわけですが、それでは十二人全員の自己紹介と行きましょう」


指揮を執るのは、俺達をここに呼び寄せたモテラスだ。

まずは俺からか。


「まずは俺からだ。俺は三矢谷瞬一、よろしくな」


簡単にそれだけを述べる。

その次に、将吾・麻美・亮介・ミーニャ・里美という順番で自己紹介をしていく。

そして、ここからがいよいよ新たなる人達というわけだ。


「私の名前は三島美姫。亮介君とは同じ世界からやってきました」


黒い髪が肩の部分までかかっていて、瞳がぱっちりとした少女が、そう言った。

……亮介と同じ世界の人物か。

ということは、


「もしやお前も吸血鬼ヴァンパイア?」

「はい、そうですけど?」

「こんな可愛いヴァンパイアもいるんだな……」

「……将吾?」

「そんなに睨むな、里美」


何か傍らで夫婦漫才(?)をやっている将吾と里美は放っておいて。

お次は、


「卯木神深夜だ。それでこっちが……」

「滝川美紀。よろしく」


目付きが若干悪い少年に、表情が分からない、茶色でロングヘアーの少女。

……ある意味で異色の二人だな、この二人が同じ世界から来たとはあまり信じられないな。


「……相原直行だ」


そしてこちらは、もっと機嫌が悪い様子だ。

細くて鋭い、黒い瞳。

髪の毛は右目にかかるかかからないかくらいの長さだ。


「俺は打島竜平。こっちの小さいのが……ウゴッ!」


ドスッという鈍い音がすると同時に、竜平と名乗った少年はその場に踞る。


「小さいって何よ!……私は塚本綾音。これでも竜平と同い年よ」

「「「「「「「「「(本当かな……)」」」」」」」」」


九人の心が一致した瞬間であった。

……あれ、なんで俺が他の奴らの心の中まで見えるんだ?


「さて、みんなの自己紹介が終わったところで……それでは瞬一さん、みんなにお話を」

「あ、ああ……」


まさかこんな大人数に話す羽目になるとはな。

まぁ……何回も話す必要がなくなるから、いいか。


「んじゃあ簡潔に話すな。アムステルダムの城は……あっちの方角にあるみたいだ」


部屋の窓より、先ほどナイトから聞いた場所を指差す。

……相変わらず城らしきものは見当たらないが、それは遠くにあるからなのだろう。


「あそこに……敵の城が?」

「どんだけ見ても、見えないんだけど」


まぁ、みんながいぶかしげな眼で見るのも仕方ない。

俺だって城が見えないんだからな。


「一応、信用出来る筋からの情報なんだけど……この際だから、賭けに出るしかないと思うんだ。いつまでもボサッとしてると、この世界に永住する羽目になるかもしれないし」

「そ、それだけは勘弁だね……」


麻美が困ったような表情でそう言った。


「んじゃ決定でいいな?」


さっさと話を進めてしまった竜平。


「ちょ、ちょっと!勝手に話進めちゃっていいの!?」

「大丈夫だよ。心配すんなって」


……あの、その怪しい笑顔のどこを信じろって?


「んじゃ、行くか」


深夜の呟きによって、俺達十二人は大移動をすることになった。

……いや、モテラスも含め、十三人か。
















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