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Magicians Circle  作者: ransu521
サマラ編
135/309

貴重な情報

「それじゃあまず、兄さんの話を聞こうか」


……本当にコイツは何かを知ってるのか?

もしコイツが本当は何も知らなかったら?

逆に、コイツが知りすぎていたら……それは敵からの刺客という可能性すら出てくる。

……ここは賭け、か。


「んじゃあ、最近この世界で、変わったことはないか?」

「変わったこと……城が出来たことだな」

「城?城って……」

「そうだ。この島には、元々城なんてものは建てられていなかった。だが、ある日突然、二つの城が建てられたのだ」


二つの城?

一つは、間違いなくモテラスの城だよな。

そして、もうひとつが……。


「んじゃあ……アムステルダムってやつは、知ってるか?」

「アムステルダム?……知らないな」


やっぱりそこまでは知らないか……。


「その城、どこにあるか分かるか?」

「ああ。ひとつはあれだ」


そう言って、モテラスの城を指す。


「そしてもう一つが……あれだ」

「あれって……」


男が指さした先には……。

……あれ、何もない?


「何もないじゃないか」

「……ああ。何もないように見えるだろ。しかし、あの方向に進めば、もうひとつの城は確実に存在する。何しろ、俺が直接行って確認してきたくらいだからな」

「確認してきたって……アンタ、一体何者なんだよ?」


コイツの正体って、一体……。


「……ナイト・アスベルク。死にかけた俺のことを、この世界の誰かに救ってもらった存在だ」

「死にかけた?……本業何なんだよ、アンタ」

「……元々は、暗殺稼業をやっていてな」

「暗殺稼業……それでか。素顔を知られないように、サングラスと黒い帽子をかぶっていたのは」


て言うか、『死にかけた俺のことを、この世界の誰かに救ってもらった存在』って言ったな。

ということは、コイツも間違いなく、どこかしらで死にかけたということか。

つまり、俺と同じ。

死ぬ直前に、モテラス(かどうかは分からないが)に連れてきてもらった存在だということか。


「……聞きたいことはそれだけか?」

「……ああ」

「なら、対価は……この世界を、救ってくれ」

「え?」


それが、ナイトからの要求か?

……いやいや、なんか俺達に課せられた物の方がでかくない?


「ここ最近、影の者達による住民の襲撃事件なんかも流行ってきている。その影の出所もまた……あの城というわけだ」

「影……!!」


そうだ。

影と言えば、俺がここに来た時に真っ先に襲われたではないか!

あの影が、この世界の住人も襲っているというのか?


「……そうだ。そして、俺も何回か襲われたことがある。最も、こっちには武器もあるし、大したことはないのだが、街を歩く住人は皆、丸腰だ。襲われたら対抗手段がない」

「まぁ、それこそ体術とか学んでる人は大丈夫だろうけど、そうじゃない人っていうのは……」


……被害者がすでに出ていたなんて。

許せないぜ……アムステルダム!


「じゃあな。それじゃあ、俺はここで失礼させてもらう」

「……アンタは、この世界でどんな役回りをしてるんだ?最後にこれだけは、聞かせてくれ」

「……影を狩る者だ。役割を終えたとしても、元の世界に戻るつもりのない、ただの狩人だ」

「……ありがとな!!」


俺はナイトに別れを告げ、急いでモテラスが待つ城へと向かった。

途中で、モテラスからもらった通信機もどきを使用して、みんなに連絡を取りながら。
















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