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Magicians Circle  作者: ransu521
サマラ編
133/309

そして行動開始

一人目は、金色長髪で、瞳の色が赤の……美人だなぁって感じの少女。

二人目は、地毛だろうと思われる茶髪に、惹き付けられるような黒い瞳。

そして三人目は、ピンク色で、肩より少し下まで伸びた髪の毛と、黒い瞳が特徴の、どうやら将吾を知っているらしい少女だった。

手に持っている杖は……一体なんなのだろうか。


「里美……どうしてここへ?」


どうやらその少女の名前は里美と言うらしい。


「なんというか……こっちに引きずり込まれたのよ」

「ああ……俺もだ」

「……えっと、とりあえず自己紹介して欲しいかな」


麻美が困惑しているようで、三人にそう要求してきた。

先に里美が前に出る。


「私の名前は柴倉里美。将吾とは同じ世界で頑張ってるわ」

「へぇ~……彼女か?」

「違う」

「……嘘でも言ってくれたっていいじゃん」


どうやら里美の一方通行らしいな。

さてお次は……。


「オレは夏目亮介。こっちが……」

「ミーニャ・クロイツェフ。こう見えても吸血鬼ヴァンパイアなのよ」

「……ヴァンパイア?」


それって、よくゲームとかで登場する、人の血を吸うとかの、あれか?


「まぁ……どんな認識をしているのかは知らないけど、大体そんな感じで合ってると思うわ」

「おお……カッケェ」

「「え?」」


俺がそんな反応をとったら、物凄くキョトンとした表情で俺のことを見てきた。

……俺、なんか変なこと言ったか?


「あ、いや……別に変なことは言ってないんだが」

「そんな反応をされたのは、アンタが初めてだったから」

「そうか?なんかよ、ヴァンパイアって強そうじゃん?カッコイイじゃん?」


まぁ、多少俺の固定概念が混ざってるかもしれないけど、けどヴァンパイアと言われたら、強いというイメージがちょうどいいかもしれないな。


「……そっか。世界を跨ぐと、こんなこともあるのね」

「まぁ……その中でも異質な方にはあるけどな」

「俺……そんなに変か?」

「「「「「変だな」」」」」


……満場一致かよ!


「流石にそこまで意見が一致するとは思ってなかったぜ……」

「異質なのはいいことだぜ?地味で存在が消されるよりはよ」

「それはリアルで嫌だな……」


地味になるのだけは嫌だな。

かといって、目立ちすぎるのも好みじゃねえんだよな……。


「ま、話を元に戻そう。それでお前達の名前は?」


亮介からそう言葉を返される。

とりあえず俺達三人は、自分の名前を名乗った。


「んで一つ聞いてもいいか?」

「ん、俺が?」


亮介が、将吾に対して質問があるらしい。


「あと、柴倉も」

「え?私も?」


さっきのやり取りを聞いた以上、二人に質問がくるのは仕方ないことだろう。


「お前達二人は、知り合いなのか?もしくは俺とミーニャのように、同じ世界から来た人間とかか?」

「「そうだな(よ)」」


二人が声を揃えて答えた。


「……そんなこともあり得るのか?モテラス」


二人の解答を聞いた上で、俺はモテラスに尋ねた。

すると、


「そうですね。同じ世界から連れて来た人も何人かはいますよ。ここにいる亮介さんとミーニャさん、将吾さんと里美さんがその例です」


成る程……。


「さて、ここにいる人の数がモテラス含めて七人になった」


そう言ったのは、将吾だ。

無意味に両手を上げている。

……首相にでもなったつもりか。


「さっきのモテラスの話だと、敵の居場所は分からないって話だったよね?」

「なら、まず俺達がやるべきことは、敵地捜索だよな?」


麻美の言葉に続くように、俺は言葉を続ける。


「だな。とりあえずモテラスはここにいてもらうとして、オレ達六人は散らばって敵地を探すとしようぜ」

「でも、連絡方法は?」

「それならこれを」


ミーニャの言葉に答えるように、モテラスが何かを出してきた。

それは、耳に当てるような、まるで耳栓のようなものであった。


「これを付けていれば、付けた人同士で会話することが出来ます」

「……相手の指定方法は?」

「念じればなんとかなります」


里美の質問に、モテラスはそう答える。

しかし、念じればって……えらく適当だな、おい。


「とりあえず、行動開始だ!」


将吾の言葉が部屋中に響き渡ったところで、俺達は行動を開始した。
















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