彼らの境遇
「ふ~ん、瞬一って魔術が使えるんだ」
「まぁな。自慢になるけど、クラスはS組なんだぜ?」
「S組って……どのくらい?」
「その学年のトップクラスって所だ」
「「おお~!!」」
ただいま俺達三人は、自分の友達自慢とか、自分の利点自慢とか。
いろんな話をしながら進んでいた。
まぁしかし……俺が誇れることって言ったら、これくらいしかないんだよな。
「ところでよ、瞬一はどんな魔術が使えるんだ?」
将吾が興味ありげにそんなことを尋ねてくる。
どんな魔術が使える、か……。
「属性で言うなら、雷属性が得意だな。後、刀を出して戦ったりすることもある」
「おお……俺と似てるじゃねぇか」
「お前も、雷魔術とか使えるのか?」
「まぁな。ちょっと魔術とは違うんだけど……とにかく、刀使って戦うのが、俺のスタイルだ」
「へぇ~」
やはり、腰にぶら下げている刀で戦うのが、将吾の戦闘スタイルなのか……。
この世界での問題が解決したら、一手決闘を申し込むのもありかも知れないな。
「麻美は?お前はどんな武器持ってるんだ?」
「私?私はこの銃だよ」
そう言って麻美は、どこかから銃を二丁取り出してきた。
……ああ、さっきの銃声は、この銃からだったのか。
「んじゃ、お前は銃の扱いには慣れてるってことか」
「まぁそうだけど……この銃は、ただの銃じゃないんだよ」
「ただの銃じゃない?」
見た目普通の銃に見えるけど……。
まさか、双剣に変化したり、弓に変わったりなんかするのか!?
「この銃は『アンブルデニィ』って言って、私の世界だと……宝具を打ち消すことが出来る銃なんだよ
」
「宝具って、何だ?」
将吾がその部分について尋ねた。
麻美は答える。
「宝具っていうのは、私達の世界で言えば……簡単に言ってしまえば、武器だよ」
「武器ねぇ……」
まぁ、細かい説明聞いてると日が暮れそうだから。
とりあえずそれで納得することにしよう。
「ちなみに、麻美はどんなことをしてるんだ?」
「え?」
「その銃持ってるってことは、結構危ない所にいるってことだろ?」
普通の高校生なのだとしたら、銃なんか持つ必要ないものな。
ということは、それなりの理由があって銃を持っているということになるだろう。
「……色々あって、私は悪を討つ存在になったんだ。世界のバランスを整える……そんな存在に」
「……そっか」
あまり話したくない過去のようだから、これ以上の詮索はやめておいた方がいいな。
今後も、このことには触れないようにするか。
「それで?将吾はどんなことしてるんだ?」
「俺か?」
俺はそこで、将吾に話を振ることにした。
将吾は、若干戸惑いながらも答えた。
「俺はさっきも行ったけど、一度交通事故で死んでから、別の世界に来ていたんだ。そこの世界で、何故だから知らないけど不思議な力手に入れて、今じゃ魔物とかを倒したりする依頼をこなしながら生活してる」
「へぇ……ん?お前の世界には魔物がいるのか?」
「ああ。結構可愛い物から、本格的に怖いものまでな」
ふぅ~ん。
魔物っていうのは、俺達の世界にだけいるものだと思ってた。
それは違ってたんだな……。
「さて、お次は瞬一の番……と行きたいところだったけど」
「いつの間にか、お城についたみたいだね」
二人が言うとおり。
いつの間にか俺達は、城の目の前まで来ていた。
……これが城か。
赤い屋根に、白い全身。
とにかく、でかい。
グレイブスタン公国に行った時もそうだったが、城ってのはやっぱりでかいな。
「んじゃ、中に入るか」
「だね」
将吾の言葉に頷く麻美。
最初に将吾がその城に向かって歩いていく。
その後ろを、麻美・俺の順番でついていった。
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