表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Magicians Circle  作者: ransu521
サマラ編
129/309

暗躍する影

現れてきたのは、やはり一人の男だった。

歳は予想通り、俺と同じくらいだろう。

短くて茶色い髪、黒い瞳が特徴であろう。

腰には、刀をぶら下げている……日本刀か?


「……お前のぶら下げてるの、それ」

「ああ、日本刀だよ。いやぁ久しぶりに日本人にあった気がするぜ」


『久しぶりに』?

コイツは一体どんな境遇に陥っているっていうんだ?


「いやな、俺は一回交通事故で死んでて……別の世界にトリップされてたって時に、ここに連れてこられたってわけだよ」

「……お前も相当苦労してんのな」


ていうか、俺より相当苦労してるな。

ひょっとして俺、まだ恵まれてる方だったりしない?


「ま、とりあえずまずは自己紹介って所だな」


俺がそう提案すると。


「だな……俺は桜咲将吾。お前らは?」

「私は村上麻美だよ」

「俺は三矢谷瞬一だ」


桜咲将吾か……将吾の方が響きがいいな。


「んじゃ、お前のことは将吾って呼ぶことにするよ」

「ああ、そっちの方が助かるよ。お前は……瞬一って呼んだ方がいいか?」

「だな。村上にもそう呼んでもらってるし」

「なら、麻美って呼んであげなよ」


はい?

将吾、お前は何を言ってるんだ?


「うん、そっちの方がいいかな」

「おっとそうだったか……なら、麻美に修正するとしよう」


まぁ、名字で呼ぶってのは少し他人行儀かな?

……一之瀬と大和のことは名字で呼んでるんだよな、俺。

帰ったら名前で呼ぶことにしようかな……でも、大和は何か名字で呼んだ方がしっくりくるんだよな。

名前は確か、『翔』だったっけ。

……うん、やっぱり大和は大和だな。


「んじゃ、互いの境遇を話しながら、とりあえず城に向かってみるか」

「だな。いつまでもここにいても何の意味もないしな」


とりあえず、俺達三人は、この場から離れて、城に向かうこととなった。















Side???


「ふむ。この世界に、駒がそろい始めているか」


サマラの全景を見ながら、私は一人呟いていた。

この世界というのも、活動のし甲斐があるというものだな。

……世界と世界を繋ぐ世界、それがサマラ


「この世界をなくしてしまうのは惜しいがな……これも計画の為の第一歩だ」


魅力的な世界ではある。

出来ることなら、このままの形で残しておきたい世界だ。

……だが、世界崩壊を招くのであれば、この世界の存在は大いに邪魔だ。

この世界があるからこそ、数多ある世界は均衡を保つことが出来る。

そのためには……集まってきている駒がどうしても必要となってくる。

相手の駒が増えれば増えるほど……こっちの駒が増える。

つまり、この戦いは、最初から平等になるように仕組まれているということだ。

相手が増えてくれれば、こっちも勝手に増えていく。

……一体すでにやられてしまったが、そのくらいは補えるだろう。

それに、ダミーはいくらでも作ることは可能だしな。


「……クリエイターのやつも、この方法だけは思いつかなかったようだな」


脚本家かぶれのあの男……私はどうも好きにはなれないな。

あの男の計画は、いつも完璧を求めすぎる。

自分の書いた脚本に自信を持ちすぎていて、それでいて穴を突かれると、たちまちこちらに責任をなすりつけてくる。

……あれは脚本家としては、失敗の部類に入るだろうな。


「だが、私は違う」


私は脚本家ではない……。

もとい、最初からそんなことが出来るたちではないのでな。

そうだな……クリエイターが脚本家であるのなら、私は演出家と言ったところだろうか?

世界ぶたいを整える為に奮闘する首謀者えんしゅつか

……ふむ、なかなかに響きが良い言葉だな。


「……すべての駒がそろった時、この戦いは幕を開ける」


開幕を告げるにはまだ早いな。

それには駒が少し足りない。

……おや、また新たな駒が一つ増えたようだな。

……用意されるべき駒の数は、12。

残りは……6つだな。
















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ