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Magicians Circle  作者: ransu521
サマラ編
126/309

変な世界に来てしまいました

「う、う……ん」


ここは……どこだ?

見渡す限り……白い空間。

ていうか、何もないし、誰もいない。

そんな感じがするんだけど……まさか俺、本当に死んだ?


「ってことは……ここ、天国!?」

「いえ、違います」

「うわっ!何もない空間からの突っ込みが来た!?」


……って、今確実にどっかから声がしたよな。

誰の声だ?今の。


「ていうか、その前に……ここ、どこだ?」

「ここは、世界と世界の中間地点。人呼んで、サマラです」

「サマラ……?」


意味が分からなすぎる。

島って書いて、サマラと読むとか……その『サマラ』って言葉、絶対意味とか考えてないだろ。


「んで、お前は何者なんだ?姿を現せよ」

「僕は……ちょっとした事情があって、今は貴方の前に姿を現すことができません」

「……事情?」

「ええ。ですが、いずれ貴方の前に、姿を現そうとは思っています。そっちの方が、何かと好都合ですから」


えっと……声の質からして、性別の判断がつかないな……。

男か?女か?

……まぁいいや。


「それで、俺をどうしてここへ?」

「あのままだと、貴方があの世界から消えてしまいそうでしたから……少し予定としては早かったですが、この世界に引きずり込んでしまいました」

「そ、それじゃあ……ここは天国じゃないのか?」

「ええ。ここは、貴方が住んでいた世界とは別世界ですけれど、決して天国なんかじゃありませんよ」


よかった……まだ死んだわけじゃないのか。

って、あれ?

今、俺が住んでいた世界とは別の世界って言わなかったか?


「……なぁ、お前今、俺が住んでいた世界と別世界だって言わなかったか?」

「いいましたけど……何か?」

「何かって……それじゃあ俺、もう元の世界に帰れない?」

「そんなことはないですよ……ただ、本当にものすごく勝手なのですが、貴方にお願いがあるのです」


俺に、頼みがある?

今だ姿が見えないやつの言葉を信じるのもどうかと思うが……。


「……まぁいいや。命を助けてくれたんだ、その頼みがなんなのかくらいは聞いてやる」

「ありがとうございます!」


嬉しそうな声が返ってきた。

……そこまで喜ばなくても。


「では……僕達の世界を、助けてください!」

「……はい?」


話が見えてこないんだけど……。

この世界を助けてほしい?

それって……ここの世界、サマラを助けてほしいってことか?


「はい。その通りです」

「……マジで?」

「もちろん、貴方一人でとは言いません。すでに何人かの人が、この世界に来ています。これから来る人も何人かいます……それで、貴方には、すでにこの世界に来ている人と、合流してもらいたいのです」

「合流って……具体的にどこに集まればいいんだよ?」


トントン拍子に話が流れていくな……。

追いつくのに結構必死だぞ、これは。


「そしたなら、この世界にある、巨大な城に集まってもらいます」

「城、ね……先に行って、待っててもいいんじゃねぇか?」

「それでもいいですけど……結構長い道のりになると思いますよ?」

「構わねぇよ。別に待つのが嫌いって柄じゃねぇしな」


ともかく、コイツが俺に助けてほしいって言ってきたことは分かった。

だったら、俺がやるべきことは……。


「分かった。協力してやるよ」

「本当ですか!?ありがとうございます……!!」


姿が見えないので分からないが、恐らくは今頃笑顔になっていることだろう。


「それでは、貴方をその場所から移動させますね!」

「え?ちょっと待てよ……どこに移動させるっていうんだ?」

「それは……」

「それは?」

「……分かりません♪」


ハァッ!?

お前、ちょっと無責任だぞ、おい!

しかも、最後の『♪』は何だよ!!

明らか狙ってね!?


「それでは、また城で会いましょうね♪」

「分かったから、せめて安全な場所に移してくれぇええええええええええええええええええええ!!」


畜生!

これじゃああそこで奇跡的生還を望んでいた方が絶対楽だったじゃねぇか!!

……大変なことに巻き込まれた気がするぜ、俺。

まぁ、自分から言い出したことだし、何も言えないけどよ……この扱いは、さすがにないだろ。

……そんなこんなで、俺はどこかに連れて行かれた。
















というわけで、今回からは新たな話に入ります。

ものすごく唐突ですけど……。

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