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勇気の歌

2018/10/01

遠くに聞こえる歌声を 目指して僕は歩く

小さな小枝をくわえ 山を越え谷を越え


遠くに聞こえる歌声を 目指して僕は行く

船の錨を上げて 青空の下進む


茨の道もあった 崖を渡ることもあった

自分の力で火を起こし 寝袋で寝る日もあった

鮫が泳いだこともあった 潮が巻いたこともあった

嵐の中に入って 白波進んだ日もあった


何度も何度も折れかけた それでも僕は進む

きっとのやっとで辿り着いて あの歌声に会うために



遠くに聞こえた歌声が すぐの近くで響いてる

どうやら傍まで来たようだ さて……後少し


歌は上から聴こえてる 見えないほどに上から

雲の向こうの空高く 岩肌険しい剱岳


命をつなぐ綱はない 落ちたらそれこそ終わり

それでも僕は登る 自分の体をアテにして

野原で歌を歌いながら 浜辺で夕陽を見ながら

やっとここまで辿り着いた ここが踏ん張りどころだ



指の皮はめくれ 足もとから小石が落ちた

後ろを向くと高く 地面ははるか下のほう

最期が脳を駆ける 落ちたらすべてが終わる

死の予感に首を振り 上を向いて手を伸ばす


頼れるものは四肢だけ 手すりも支えも何もない

正直とても心細い 不安を抱えて進む

涙も弱音も飲み込んで 歯を食いしばって登るんだ

これが終わった山の上 そこに何かを期待して



頂に腕かけ体を 息を切らして持ち上げた

太陽の下雲の上 見つけた歌を歌うものを

きれいな茶色に塗られた レコードを回す蓄音機

ハッキリ聴こえる歌は 勇気を讃える歌


開けた目の前見てみると 太陽が輝き照らしてた

緑の大地に青い海 広い世界を燦々と

壮大な景色を目の前に 目頭が熱くなっていく

勇気の歌を聴きながら 喜びと感動を噛み締めた



遠くに聞こえた歌声を 目指して僕は進んだ

ぼんやり聴こえる歌を しっかり耳に聴きたくて

どんな苦難に遭っても 諦めないで進んだ

茨も大浪も乗り越えて その歌声に会いたくて


そこには誰も居なかった だけど素晴らしいものがあった

ここに来ないと見られなかった とても美しい景色

苦難や困難を乗り越えた先に、頂の景色があると信じて。


プラトーやスランプ、圧力に遭っても、目指すものとは違うかも知れないけれど、きっといい物事がある。

そう願いながら書きました。

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