剣の舞踏
2018/08/10
何故 この世はこうなのですか
理不尽という言葉はあまりにも
酷く 至極 痛く 甘い
どれだけ真摯に動いても
いかほど声を大にしても
箱庭の中は 箱庭の中
声が枯れるほど叫んでも
気づかぬ人は聞く耳を持たず
涙を流し訴えても
強いだけの者は抑圧し
群れる半端は力をつけて
国の行く末は蚊帳の外
力なき者は変えられない
束となっても弱すぎる
意志など とうに忘れてしまった
遺志など知らぬ人々は
時の流れは 激しすぎて
数年の昔も 見る影がない
今 ここにある確固たるものは
明日もあるのは いかほどでしょう
不安定な この時勢に
何が強くて 何が弱いか
明朝に昇る 太陽さえも
闇を 不安を掻き立てる
何かに頼らねば 生きては行けぬ
何かに縋らねば 生きては行けぬ
弱い 弱い者共は
私達は 何を心に生きていく
信じるのは 神ではない
悪魔も 頼るに物足りない
信じられるのは限りある
味方と 理解者と
私のみ
己の胸に 手を差し入れて
一思いに 引き抜いた
白金と 見紛う光を放つ
一太刀の剣が 力で 希望
ああ 剣先を天に突き立て
夜空の闇を 切り裂きたい
剣片手に 足踏み鳴らし
立ち込める闇を払い 光を
明日への不安を 掻き立てる
夜に乗じた 闇さえも
舞に纏わせる剣閃の
一振りの下に 霧と化させ
箱庭の壁を切り裂いて
狭くも広い 外の世界へ
積み重ねの上の 自信を
困難の先にある 成功を
遥かの高みにある 勝利を
揺るぎない 揺るぐことのない 幸福を
この手に
この手に 掴みたい
剣は勝利の象徴という。己を鋭く磨き上げ、今、未来を切り拓け。




