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2016/11/19

N5243DQ

何もないところに風が吹いて

『ふつう』な場所が少しゆがんだ


とくに何かに影響するわけでもないそれは

だれに気づかれることもなくて

ほんとうにひとりも知らないうちに

どんどん どんどん 大きくなって


はじめの『ゆがみ』を真ん中に

大きな大きな渦になった


ほとんどだれにも見えない渦

黒いろをした大きな渦


うれしいことを呑み込んで

かなしいことをはき出す渦


それぞれにはそれぞれ持ち主がいて

そのひとにしか見ることができない

だから どんなにがんばって

こんなのを持ってると話しても


だれに伝わることもない

ひとのを知ることもできない


しかたのないこと あたりまえのこと

だから むりに押しつけようとはしたくない


そもそも 持っているひとのほうがすくない

持っていないひとは気づこうともしないし

持っているひとを異端視する


渦とたたかえるのは持ち主だけ

もとにもどせるのも そのひとだけ

むだだから たすけなんてもとめない


けれど

そんなひともいるとは知ってほしい

めいわくをかけたくなくて だれにも話さないで

ひとりたたかうひともいるんだって


もしも 近くにそんなふうな

たたかっているひとがいたら

わたしは すこしでも力になりたい


たすけはいらないと言われるだろうけれど

そっと そばにいてあげたい


黒い渦

かなしい渦


それとたたかうひとをささえたって

なにもバチはあたらないよね

その苦しみを知っているから、そのような人も居ると知ってほしい。

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