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朝のヒカリ
2016/10/28
N5160DP
目を開けると降り注ぐ
白く眩い陽光に
僕は今日も手を伸ばし
そっとやわらかく手を握る
そよ風になびくカーテンは
光に疎らな影を作り
白一色の部屋の中の
明るさを気紛れに変えていく
少しくすんだ天井の
波のように揺れる影を
僕はこの両目で追いかけて
疲れて少し力を抜いた
いつもと似ているこの時間
僕はただただ宙を見る
触れられやしない光の中に
確かな物を見つけたくて
伸ばした右手を目に当てて
静かに一つ息を吐いたら
重たい体を僕は起こして
今日も再びあの街へ
冷たい夜にサヨナラをして
暖かな朝のヒカリの中へ
陽光の差し込む白い部屋から、新たなる日が今日も始まる。




