機体解説「ブルージュ・ZWEI」
こちらは機体解説となっています。詳しく知りたい方はぜひどうぞ。
王国製ライデンシャフト・MLV-207・ブルージュ・ZWEI”
第3次聖神機大戦・中期に実戦投入された、王国軍第3世代ライデンシャフトである。
第3次聖神機大戦・開戦期、
王国軍・主力ライデンシャフト・ブルージュ・EINS、
帝国軍・主力ライデンシャフト・ガタカⅠ
今なお続く、この第3次聖神機大戦、
両陣営は長きに渡る争いに決着ををつけ、
大陸の覇権を握るため、実戦闘と並行し、
主力兵器の改善、改良に力を注いだ。
その結果、戦術や地形に合わせた数多くの派生機を生み出すこととなる。
しかし、局所的な改善、改良による性能向上はすぐに限界をむかえる。
互いのライデンシャフトの性能向上が頭打ちになると、両軍の戦力は拮抗し、戦局は停滞した。
両陣営は新たな主力ライデンシャフトの開発を急いだ。
王国軍は戦局の膠着状態を打破するため、主力ライデンシャフト・ブルージュ・アインスの後継機≪ツヴァイ≫開発計画を開始する。
まず始めに行われたのは、ブルージュ・EINSの実戦データを元に、アインスの抱える問題点の洗い出しだった。
その結果、アインスの一番の弱点は魔導融合炉が生み出す出力を最大限活用できていないことによるパワー不足にあると結論づけられた。
この弱点を克服するために、フレーム、ギア、フライトシステム、ウィザードシステム(魔導演算機統制機構)、装甲と、あらゆる点で、出力を最大限に引き出すための見直しを計ることとなる。
計画はブルージュ・EINSの基礎設計を土台に後継機の開発が進められた。
開発陣はこの見直しの中で、ライデンシャフトの頭脳に当たるウィザードシステム(魔導演算機統制機構)に注目した。
このライデンシャフトの頭脳には、未だに解析されていない、未知の領域が多く残されていた。
開発陣は、このウィザードシステムを改修し、新たな制御システムを導入することで、魔導融合炉が本来持つ出力をより効率的に発揮出来ると捉えていた。
しかし、実際に新たなウィザードシステムを搭載したアインスをテストしたところ、致命的な問題が発覚する。
改修ウィザードシステムが生み出す高出力を、アインスの基礎駆動系は上手くコントロールすることが出来なかった。
問題は駆動系にとどまらなかった。
フレーム・ギア・装甲、様々な点で最大出力時に大幅なパフォーマンスの低下、耐久性の低下が見られたのだ。
後継機≪ツヴァイ≫開発は、基礎設計段階からの見直しを迫られた。
大幅な見直し作業により、開発は遅れた。
開発の遅れによる戦況の悪化を恐れた王国軍は、開発途中の新装甲材”シルフィ二ウム+”を前倒しで強引に実用化。
新装甲材”シルフィ二ウム+”と改修ウィザードシステムを搭載し、≪ツヴァイ≫初期型としてロールアウトする。
この新装甲材”シルフィ二ウム+”は抜群の耐久性能をほこり、なおかつ加工のしやすさが生産性を高めると期待された。
しかし、この”シルフィ二ウム+”は開発段階だったため、欠点が残されていた。
”シルフィ二ウム+”は”シルフィ二ウム”より格段に重かったのである。
このため、≪ツヴァイ≫初期型は非常にバランスの悪い機体となった。
高出力化に伴いパワーを得た半面、機体重量は重くなり、動き出し、加速、減速、停止の操作は繊細さを要求された。
操作を誤り出力オーバーを引き起こすと、機体は使い物にならなかった。
戦場では、ほんの少しの操作ミスが命取りだった。
熟練のパイロットであってもこの機体の操縦は難しかった。
新人ともなればなおさらである。
期待された王国軍の新機体は、帝国軍次期主力兵器であるガタカⅡに対し、まったく戦果を挙げられず、前線から退くこととなる。
現場での評価は散々だった。
兵士たちは影でこの≪ツヴァイ≫初期型を、”動く的””動く棺桶”と呼んだ。
依然として、後継機≪ツヴァイ≫開発は問題が山積した。
ここで、開発チームの一人がブルージュ・アインス開発の為に造られた”試作機”を、倉庫から引っ張り出す。
アインス試作機は合計3タイプ造られていた。
その中の試作3号機は、機動性に特化して造られた機体だった。
しかし、この試作3号機も様々な問題点があり実用化されず、倉庫で眠っていた。
試作3号機の最大の問題点は、開発当時のウィザードシステムでは、極限まで高められた機体機動性を制御出来なかった点にある。
改修されたウィザードシステムを使い、試作3号機の再検証が行われた。
再検証は成功した。
機体の姿勢制御、運動制御がより安定し、高出力を保ちながら、スムーズな挙動を可能とした。
あわせて新装甲材”シルフィ二ウム+”搭載型もテストされた。
≪ツヴァイ≫初期型の課題であった、動き出し、加速、減速、停止操作が安定し、出力オーバーによる機能低下もほとんど見られなくなった。
後継機≪ツヴァイ≫開発計画は一応の完成を見る。
≪ツヴァイ≫中期型は≪ツヴァイ≫先行投入型を大きく上回る運動性能と耐久性を手に入れた。
こうして、ブルージュ・≪ツヴァイ≫は第3次聖神機大戦中期における王国軍の主力兵器となってゆくのであった。
機体データ
フィレリア王国軍
主力ライデンシャフト
全長 17,1m
総重量 23、5t
総出力 12600mj(メテオジュール)
制御システム
魔導演算機統制機構(ウィザードシステム)
装甲材質
シルフィ二ウム+
フレーム機構
モータルフレーム
基本標準兵装(任務、パイロットによって装備の変更あり)
主兵装
MRK-16・魔導砲
近接戦闘兵器(標準装備)
ハイヒート・グラディウスVer・3
主防護兵器
ブルージュ・ZWEI用ラージシールド
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