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【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
27/123

オレ、巨大ロボットに乗ります4

「――!?」


 サイドスクリーンパネルに、

 映る巨大な影が、

 どんどん大きくなっていく。


<ガタカⅡだ!?>


「でえええええ!!!

 つ、ついに来た─────!!」


<説明はここまでだね、

 じゃあさ、出力は

 とりあえず60%ぐらいにしよう!>


 オレはリゼルに言われた通り、

 操作パネルをいじり、

 機体を起こす。



『…今度こそ…、沈めてやる!!』


 コックピット内の無線から、

 女性の声が聞こえてきた。


<タツヤかわしてっ!!>


「え”っ――!!いきなり!?

 ど、どうやって!!!」


 目の前に、ガタカⅡの超熱ファルシオンが迫る。


挿絵(By みてみん)


<うわっ───!!

 は、早く!!大型シールド使って!!

 操縦桿を…!!>


(うわぁぁぁ!!!!!)


 オレはたまらず目をつぶった。



ガキィィィィィン!!!



 強烈な金属音が、

 コックピット内にも響く。



「ああ…。」


 ─────────終わった。


 今度はどこへ転生するんだろ…。


 出来れば、次こそ、

 ちゃんとした異世界ファンタジーで、

 チート満載、チョー楽できる感じで、


 お願いします…。

 


「って、あれ……。」


 目を開けると、正面モニターパネルに、

 ガタカⅡが映っている。

 

 オレたちは、ガタカⅡの一撃を、

 大型シールドで受け止めていた。


「え”───!?


 まただ…なんか、

 勝手に体が…動いた…。」


<タツヤ!!

 敵から離れて!!>


 オレは、慌ててラダーペダルを踏み込み、

 機体を動かす。


 機体は不格好な体勢で前進し、


ガギィィィィィン!!!


 そのまま敵に体当たりをくらわせた。


<いいよタツヤ!!

 もう一回、ラダーペダルを踏み込んで!!

 それから、操縦桿を行きたい方向に傾けて!!>


 オレは、無我夢中で操縦桿を握り、

 敵から離れた。


 

────────────────────────

 

 ガタカⅡのパイロット、ビシス・レインは、


「た…体当たりだと…。」


《ツヴァイ》の動きにに驚きを隠せないでいる。


────────────────────────


 オレは、なんとか機体を動かし、

 敵と距離を取る。


「さっきのアレ…、

 やっぱり、リゼルじゃないの?」


<何度も言ってるけど、

 僕が動かせるなら、動かしてるよ…、

 って、ちゃんと前見て!!


 敵!!来てるよ──────!!!>


 すぐさま、敵機が襲い掛かってくる。


「あ”──────っ」「うわ”──────っ」


 オレは、よくわからないまま、

 操縦桿を動かし、ラダーペダルを踏む。


ブオッブオン!!


 オレたちの機体は、

 敵の攻撃をよけ続ける。


(や、やっぱりだ…。


 やばい!!

 と思った瞬間に、体が自然と動いてる。)


「オレ、ど、どうなってんだ…。」


 その後もピンチが続くが、

 オレはギリギリで敵の攻撃をかわしたり、

 盾で防いだりしてしのいだ。



<すごいよタツヤ!!!

 戦えてる!!!>



「いや…、だからさ、

 体が勝手に…。」


 オレがリゼルに返事をした瞬間、


ガゴォォォォン!!!


 敵から思いっきり蹴りを食らって、


「うわっ─────────!!!」


 機体が吹っ飛ぶ。


<え────────っ!?

 なんで、なんで今のよけられないの!!>


「リゼルが話しかけるから!!

 でなきゃ、ちゃんとよけ…。」


<タツヤ!!!危ない!!!>

 

 ガタカⅡは、

 オレたちめがけ、

 大剣を振りおろす。


「あ”ぁぁぁ────────!?」


 オレが悲鳴をあげた瞬間、

 ブルージュ・ZWEIツヴァイの各スラスターが、

 一斉に噴き出す。


ギャリイイイイイイ!!!!!


 辺りに大きな金属音が響き、

 大量の火花が散った。


「………!?」


<か、かわしたの!?>

 

 モニターを見ると、ガタカⅡの超熱ファルシオンが、

 大地に突き刺さっている。

 

「か、かわせた…みたい。」


<あははははは、すごいよタツヤ!!>


「そんなに褒められても、

 複雑な気分…。」


<じゃあさ、もっと魔導出力あげてみよう!!>


 オレはリゼルの指示に従って、

 機体魔導出力を70%に上げる。



 敵ガタカⅡは、

 大地に突き刺さった超熱ファルシオンを、

 引き抜いた。




───────────────────────────

 

 大地に突き刺さった大剣を、

 引き抜きながら、

 帝国軍中尉ビシス・レインは、

 対峙するグレアム機を、

 睨んだ。


「何が…、起きているのだ!?」




 ビシス・レイン率いる78特殊機甲隊は、

 レイクロッサ基地から出撃した

 王国軍グレアム隊を退け、

 そのまま王国領内へ侵入した。


 グレアム隊を破り、

 勢いに乗る帝国軍レイン隊は、

 さらに、王国領内で、

 王国軍増援部隊を撃破する。


 レインは、

 レイクロッサ基地のエースである

 グレン・グレアムを確実に討つべく、

 単機で、王国領内の小さな村に落ちた、

 グレアム機の後を追った。


 そこで、レインは、

 グレアム機と再戦する。


 しかし、レインは、

 グレアム機の明らかに異なる挙動に、

 当惑するのだった。


 

───────────────────────────


『さきほどから、

 何やら話し声が聞こえるが…。


 パイロット!

 貴公、グレアムではないのか…?』


 オレたちが乗るライデンシャフト

 ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)

 コックピット内に、

 大人の女性の声が、

 流れてきた。



「リゼル!

 女の人の声が聞こえたけど…、

 何これ!?」


<あ…、

 開放用の無線、

 オンになってたんだ。


 ライデンシャフトは、

 うーんと昔、騎士同士の戦いで、

 名乗りあったみたいに、

 パイロット同士、

 名乗りあう事があるんだって。

 そのための無線。>


(へぇ~…!これって、

 …パイロット同士の会話!!

 ってことは、

 数多のアニメ作品で生まれた、

 名シーンが、オレにも…。)


『聞こえているのであろう、

 返答しろ!!

 貴公はグレアムではないのか!?』


<ちょっとタツヤ!!

 敵のパイロットが、

 質問してるよ、

 どうするの??>

 

(ア〇ロVSシャ〇…

 イサ〇VSガル〇…

 キ〇VSアス〇ン… 

 ぶつかり合う男のプライド!

 生まれるドラマ!!)


<ちょっと!!タツヤ!!

 人の話聞いてる!!

 変なこと考えてないで、

 ちゃんと答えないと失礼だよ。>


「え…………!?


 あ!!ごめんごめん

 で何だっけ。」


──────────────────────────


 レインの耳に、

 グレアム機からの失礼な返答が入る。


『ごめんごめん…、

 何だっけ……。』


「バ、バカにしおって────、

 許さん!!!」


 レインは全速力で、

 グレアム機に襲いかかった。

────────────────────────



「え”──────っ!!!

 リゼル、敵の女性、

 なんか怒ってるんですけど──────!?」


<はぁ、そりゃそうだよ、

 何度聞いても答えないし…、

 返事が、”何だっけ”だもん。>


 オレは必死の操作で、

 敵の攻撃をかわし続ける。


「リ、リゼル、呆れてないで、

 どうにかしてよ!!」


 オレが大声で叫ぶと、

 相手は動きを止めた。


『やはり、その幼い声…、

 あらためて聞く、

 グレアム機のパイロット、

 貴公いくつだ?』


(リゼル、歳いくつ?)


<12>


「12歳、…です。」


 レインは、

『12歳!?』

 驚きの声をあげる。


「はい。」


『…………信じられん、

 王国軍は、

 そんな年の者まで、

 戦場に駆り出すのか…。』


「は…はぁ。」


『私は、帝国軍中尉ビシス・レイン

 貴様、名は?』


「リゼル・ティターニアです。」


『ティターニア、

 その機体、グレン・グレアム少佐の機体ではなかったか?』


「えーそうなんですが…、

 あのー、色々とありまして、

 自分が操縦することになりました。」


『そうか…。』


 レイン中尉の声から、

 はっきりと落胆の気持ちが読み取れる。


 オレは思い切って、


「ど、どうします、

 ”戦闘”続けます?」


 提案する。


<タツヤっ!?

 いきなり何言ってんの!!>

 

『リゼル・ティターニアと言ったな…。


 子供相手でも容赦はせん、

 では参る!!!』


 わかりやすい、

 レイン中尉からの返答だった。 

 

「はぁぁぁぁ~…、

 やっぱり戦うしかないのか―。」


<タツヤ!!

 来るよ!もっと集中して!!>


 レイン中尉操る帝国軍ガタカⅡが、

 再びオレに襲い掛かってくる。


 オレは開放用無線をオフにする。


「あ──────っ!?」


<ど、どうしたの?>


「オレ、

 カッコいい名乗り出来なかった…。」


<……はいはい。>


 こうして、オレの異世界でのロボット戦闘は、

 始まってしまった──────





───────────────

ビシス・レイン中尉

挿絵(By みてみん)



読んでいただき本当にありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
Xの企画より参りました。 本職のエンジニアとしては、主人公がエンジニアというだけで注目してしまいます。彼、かなり、女好きなんですねw 異世界でゴロゴロしていたかったのに、気づけば「ライデンシャフト」…
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