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【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
26/123

オレ、巨大ロボットに乗ります3

───搭乗・ライデンシャフト───


(はぁあぁ…。


 まったく、

 とんでもない異世界転生になったもんだ…。)


 オレは今、巨大ロボットの中にいる。


挿絵(By みてみん)


(だってこれ、罰ゲームなのか?


 いきなり実戦なんて…。

 …ありえない。)


<グレアム少佐、機体お借りします!!>


 リゼルはリゼルで、

 機体を動かす気満々の様子。


(やばい、

 なんかめまいしてきた…。


 リゼル、

 い、今からでも、

 逃げたほうがいいんじゃ…。)


<何言ってんの!

 ここまできて降りるなんて!> 


(いや、動かせる気が、

 しないというか…、

 どうしたら…。)


<大丈夫だよ!

 僕が全力でサポートするから。>


「あ”あ”────!!!

 そのことで言いたいことがある!!」


 オレは思わず大声をあげる。


「あのさ、ずーっと気になってたんだけど、

 今日何回も、リゼルが"この体"動かしてたよね。」


<え…!?>


「え…!?

 じゃないよ!!


 ミレーネちゃんを助けに行くときとか、

 この森に来る時も、

 さっきだって!!


 そ、そんなことが出来るなら、

 操縦は、リゼルがやってよ!!」

 

<……僕…そんなの知らないよ…。


 確かに、ミレーネを助けに行こうと思ったり、

 森へ行きたいと思ったりはしたけど…。


 元々は、僕の身体だけど…もう動かせないんだ。

 本当に動かせるんなら、動かしたいよ…。>


「えっ!?

 …そ、そうなの…。」


 意外なリゼルの答えだった。


 てっきりオレは、リゼルが、

 動がしているものだと思ってた。


<そんなことより。

 とにかく!まずは起動させなきゃ!!>


 オレはリゼルが出す指示に従って、

 計器のスイッチを入れる。


ウォン…ウォン…ウォン…


 コックピット内のスクリーンパネルに、

 外の景色が映し出され、

 手許の操作パネルが光り出す。


…ギィィン…ギィィン……オオオ……ギュオオオオオ…!!!

 

 振動と共に、

 メインモニターに映る地表が遠ざかっていく。


「うお─────っ!!

 立ち上がった──────!!! 


 …でも、なんか思ってたのと、違う…。」


<そぉお!?>


「スイッチとか、ボタンは、

 もっとレトロな感じだと思ってた。

 実際は

 光る石板みたいのをさわって、

 起動させるんだな。」


<ふーん、

 レトロがよくわかんないけど。

 これがライデンシャフトの、

 コックピットだよ。>


(あのさ、これ動力は何なの?)


<魔力。>


(魔力って、魔法の力でこいつ動くの!?)


<そうだよ。

 ちょっとタツヤ!

 今そんな話してる場合じゃないよ!!>


(いやいやリゼル、

 こっちは知らない事ばっかりなんだから、

 もっと詳しく教えてもらわないと…。)


<時間ないんだよ!

 帝国軍がきちゃう!!>


(そ、そうだった。


 そうだ!

 せめて…脱出ポッド的なモノ、

 だけでも教えてよ。

 こいつにも、ついてんでしょ?)


<いきなり脱出ポッド!?、

 それなら…シートの下にあるはずだよ。

 出っ張ってるコックを、

 回して強く引くんだ>


「へえ…これかぁ…。」


 オレは、シートの下に手を入れ、

 コックを回そうとした…。


<ちょ、ちょっとー!!>


(冗談だよ、冗談!

 だけどさ、知っとかないと、

 いざって時に使えないじゃん!)


<……ホントかな。


 …あやしい…。>


(え、あ、あはははは。

 逃げませんって。


 ここまできて、

 ねぇ…。

 これは、いざって時に…。)


<もー、余計な話ばっかりしてないで、

 早く操縦桿握ってよ!>


(あ、はい。

 えーと、これが、操縦桿か……。)


 オレは、両手脇にある操縦桿を握る。


<次は、足元のラダーペダルに、

 足を乗せて。>


 オレは言われた通り、

 足元を探る。


「あれ…?」


スコッ スコッ


(リ、リゼルくん、

 オレの足、届かないんですけど……。)


<あっ!?


 そっか…。


 グレアム少佐のシートサイズになってるんだ。>


(これ、どうすればいい?)


<えーと、えーと、そういう時は…。

 ちょっと待ってね、

 シートサイズは…。>


 リゼルは必死で考える。


<サブモニターパネルの下にある、

 小さな操作パネルに、

 これから言うコードを入力して。

 それで、変わるはずなんだ。>


(これか…。)


<うん、コードは…、

 ◎△…☆□〇●…▽△+…。>


 オレは、リゼルの言われた通り、

 操作パネルにコードを入力する。


 すると、シートがぐっとサイズダウンした。


(おおぉ、しっくりきたー。

 これならなんとか操作できそうだ。)


<よかったぁ!

 …実は、あんまり自信なかったんだ。>


(えーっ!そうなの!!)


<だって、シートサイズの変更なんて、

 したことなかったんだもん。>


(ま、まぁ、結果オーライか…。)


<じゃあ次は、

 計器類を、説明するよ。


 正面がメインモニターパネル。

 モニターの中心に照準や重要情報が表示されるよ。


 そのメインモニターの中に映ってるのが、

 左から方位計、大気速度計、

 姿勢角度計、高度計、昇降計、

 機内気圧計、さらにその下に――>


(ちょっとタイム!!タイム!!


 いきなりそんなに言われても、

 覚えられないって!)


<もう時間がないから、

 次は操作関連の説明するよ!!>


(おーい!リゼルく――ん!!

 人の話聞いてますか―!!!)


<基本的な操作は、手元の操縦桿と、

 足元のラダーペダル。


 右の操縦桿にはトリガー、トリム調整ボタン、

 右肩部補助スラスター制御スティック、

 右脚部補助スラスター制御スティック、

 機手制御スイッチ。

 で、左操縦桿が――>


(無理無理無理!!

 そんなの一度に覚えられないって!! 

 オレ、ライデンシャフトの操作知識ゼロだよ!)


<大丈夫!!

 ちゃんと、必要な時に、

 僕がアドバイスするから!

 とにかく、動かしてみよう!>


(リ…リゼルパイセン…、

 そうは言いましても…。

 いきなりは…無理ですって…。)


<まず、機体制御と、

 移動の基本”ホバー推進”、

 だけでも覚えなきゃね!!>


(えー……今度は…。


 機体制御…!?

 ホバー推進…!?)


<タツヤ、

 足元の左ラダーペダルを、

 踏み込んでみて。>


 オレはリゼルに言われた通り、

 左ラダーペダルを踏み込む。


ギュイイイ─────ン

 

 すると、機体は地面をすべるように進む。


 しかし、動き出した途端、


ド─────────ン!!!


 機体は大きくバランスを崩し、

 派手に転んだ。


「うっ…、いつつっ…、

 な、何が起きたんだ…。」


<タツヤ、ラダーペダルを、

 強く踏み込みすぎだよ!!


 それとさ、ホバー推進と同時に上半身の姿勢も、

 ちゃんと調整しないと。>


「そ、そんなに、

 いっぺんに言われても…、

 それに、強く踏み込んでないって。」


<強く踏み込んでないのに、

 あの加速……?

 そうか!!魔導出力値の設定!!

 これも、グレアム少佐のままなんだ。>


「魔導出力値?設定??」


<うん、ルーンリアクターが作り出す、

 魔導エネルギーが大きいほど、

 あらゆる機体性能を高めるんだ!!


 だから、ルーンリアクターの魔導出力値は、

 100%に近ければ近いほど、

 機体は、最高のパワーやスピードを出せるってこと。>


「じゃ、じゃあ100%でいいんじゃないの?」


<それは…、そうなんだけど…。


 100%の出力を制御するためには、

 ものすごく繊細な操縦技術が必要なんだ!


 だから、パイロットは自分が操作できる出力範囲で、

 戦わなきゃいけないんだよ。>


(う、うーん…。

 それを聞くと、

 やっぱり、オレには無理なんじゃ…。)


<そんなことないよ!!>


(そんなことない、

 って言われても…。)


<えーと、グレアム少佐の設定は…。


 …!?


 80%だ!!>


(80%…。

 それってすごいの?)


<すごいよ!!

 70%で操縦できれば、

 一人前のパイロットなんだから。>




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!!




 突如、大地が激しく揺れた。





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