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【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
24/123

オレ、巨大ロボットに乗ります1

挿絵(By みてみん)



 ───フィレリア王国・レイクロッサ近郊・シャペル村───

 

 シャペル村近郊、

 夕日に染まる村はずれの森。


 森では、

 帝国軍ライデンシャフト≪ガタカⅡ≫と、

 王国軍ライデンシャフト≪ブルージュZWEI(ツヴァイ)≫による、  

 激しい戦闘がおこなわれていた。



 ”()()()()()()()”、

 王国軍ライデンシャフト・ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)

 めがけ、”帝国軍ライデンシャフト・ガタカⅡ”が、

 襲い掛かってくる!!


「うわわわっ、リゼルー!

 こっち来たぞー!!」


 ”()()()()()()()()()”は、

 大量の土煙を巻きあげ、

 オレたちに迫る。

  

挿絵(By みてみん)


<タツヤ!シールド!!>


 オレは機体を素早く操作し、

 シールドを構えた。


ガキィィィン!!!


 オレたちは、

 ガタカⅡが繰り出す斬撃を、

 左腕に装備されたシールドを使い、

 ぎりぎりで受け止める。


「うぅっ…!」


<ナイス防御!!>


 敵ガタカⅡは、動きを止めず、

 何度も斬り込んでくる。


ガキィン!!ガキィン!!ガガキィィン!!


 オレたちは、

 ガタカⅡの猛攻に対し、

 防戦一方だ。


「リ、リゼルくん!!

 このままじゃ……

 オレたちやられちゃうんですけど…!!」


<タツヤ焦んないで!!

 反撃のチャンスを待たなきゃ!!>


───────────────────────


 ガタカⅡの女性パイロット、

 ビシス・レインは、

 しぶとく食い下がる相手に、

 苛立ちを隠せないでいる。


「往生際が悪い!!

 いいかげんくたばれー!!」


 ガタカⅡは大剣を大きく振りかぶり、

 渾身の一撃を放つ。


───────────────────────

 

 オレは再びシールドを構えた。


ジュウウギャアアン!!!!


 さっきまでとは違う、

 嫌な音と衝撃が走る。


「あ”───!!」


 モニター越しに見るシールドは、

 ガタカⅡの強烈な一撃で大破している。


「や、やばいって!!!」


<タツヤ!!!一時退避!!

 右ペダル全開思いっきり踏み込んでーっ!!>


 オレは、言われた通り、

 足元にある右ラダーペダルを、

 全力で踏み込む。


 ブルージュ・ZWEI(ツヴァイ)

 メインバーニアスラスターは、

 爆炎を吹き上げ、

 機体は急上昇する。


「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 コックピットが激しく揺れ、

 ものすごいGが身体にかかる。

 

「うぅぅぅぅぅぅぅ!!!」


<……えっ…!?

 ルーンリアクターの出力が…!?

 …振り…切れてる…。>


 オレたちは、あっという間に、

 かなりの高度に到達した。


──────────────────────────────



 とどめの一撃を狙っていた、

 ビシス・レインは、


「な、何!!!?

 ここで…、エネルギー消費の激しい、

 急飛翔だと…。」


 ≪ツヴァイ≫の予測不能な行動に、

 戸惑いを隠せななかった。



───時は少しさかのぼり、ライデンシャフトに搭乗前のタツヤとリゼル───


 墜落した王国軍ライデンシャフトを探して、

 オレたちは、村はずれの森へやってきた。


 そこで、オレは異世界の巨大人型兵器

 ”ライデンシャフト”と対面する。


 その道中、本来の体の持ち主、

 リゼル少年がオレたちの手で、

 ライデンシャフトを操縦しようと、

 提案してきた。



(オレが…パイロット!?)


 とりあえず、

 オレは、パイロットについて考えみる。


(パイロットか…。


 …モテそう。)



 <ちがうでしょ!!

  今はそういうこと考えてる場合じゃないんだから!!>


 すかさずリゼルに怒られた。


 オレはあらためて真面目に考えてみる。


(パイロットになるには、

 当然、操縦技術とか、

 そのための知識が必要だよな。


 その点、前の世界で、

 ただのSEだったオレには、

 ……かなり無理な話になるわけで。


 自転車乗れてもな…

 車の免許か…とっとけばよかったな…

 

 …待てよ。


 屋根裏部屋で聞いたリゼルの話、

 あれが本当だったら…。)


 オレの中に淡い期待が生まれた。


 そんなことを考えながら、

 ライデンシャフトを見上げていると、

 いきなり胸部コックピットハッチが開く。


 ハッチから白煙が上がり、

 ゆれる白煙の先に、人影が見えた。


 そこには、うなだれるようにして、

 パイロットが座っている。


 よく見ると、

 パイロットは頭から血を流し、

 苦しそうな表情だ。


<タツヤ!助けなきゃ!!>


 リゼルが頭の中で叫ぶ。


「…あ、ああ!」


 オレは、ライデンシャフトに近づき、

 コックピットへよじ登った。

 

 間近で見る、

 ライデンシャフトの装甲には、

 無数の傷がある。

 

(あわわわわ……、

 こいつってさ…、よく出来た、

 フィギュアとかじゃないんだよな…。)


 オレは機体のリアルな傷に、

 正直ビビる。


<ちょっと!しっかりしてよ!!>


(…いやぁ…、

 …すごい傷だなぁ、

 と思ってさ…。)


<当然でしょ、戦ってるんだから!!>


(そ、そうでした。

 そんなことより!

 リゼル、パイロット!!)


 オレたちは、コックピットを覗く。


 中年のパイロットは、

 コックピットに座ったまま、

 ピクリとも動かない。


<大丈夫かな…。>


 リゼルはパイロットの状態を心配する。


 オレは、


「あのー、大丈夫ですかー?」


 パイロットのおっさんへ、

 大声で話しかけた。


「…ぅ…ぅぅ…」


 パイロットのおっさんから、

 かろうじて反応がある。


 おっさんは生きていた。


 しかし、はっきりした意識はなくて、

 オレたちの問いかけに、返事はなかった。









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