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【機体イラストあり!】機導大戰ライデンシャフト~転生したら最弱少年で絶望したけど巨大ロボットのパイロットとしては最強みたいです~  作者: nicobear
異世界で巨大ロボットに乗ることになりました(パイロットとしての目覚め)編
18/123

シャペル村では1

再び、タツヤとリゼルの場面です。

───王国領・レイクロッサ近郊・シャペル村・リゼルの家・午後13時25分───


 オレ(ヒビノ・タツヤ)が、

 異世界の少年リゼル・ティターニアになって、

 約3時間が経過した。



「…ってわけなんだ。」


<ふーん、最後は車にはねられちゃったんだ…。>


「うん、それで目覚めたら、この世界にきてた。」


<…僕の怪我と、何か関係あるのかな?>


「そういえば、この怪我だけど、

 何があったの?」


<…実は、僕もハッキリと覚えてないんだ。>


「覚えてない?」


<うん。>


「けっこう大きな怪我みたいだけど、

 特に左目とか…。」


<うーん……、

 ………ダメ、

 やっぱり、思い出せないや。>


「そっか…、

 まぁ時間がたてば、

 思い出すかもしれないよ。」


<…だけどさ、タツヤの転生先、

 なんで僕なんだろ?>


「な、なんで、って急に言われてもな…。」


<ぼくはどうなっちゃうのかな?>


「………」


 オレは返答に困った。


<あ、ごめん、

 タツヤだって、どうしたらいいか、

 わかんないよね…。>


「ま…まぁ、

 普通に考えりゃ…、

 リゼルの身体なんだし、

 返してほしいよな。」



ぐぅぅぅぅ~~



 その時、オレたちの腹が鳴った。

 

「あは…はは…はは、

 体は正直だ。」


<そろそろ、

 ご飯できるんじゃないかな。>


「そういやさ、さっきから、

 何かうまそうな匂いがする。」


 オレは、匂いに引き寄せられるまま、

 部屋を出た。


 一階へ降りると、

 大人たちが、せっせと食事の準備をしている。


(うぉ!!異世界ごはんかー!)


<わぁ、タツヤごちそうだよ!!>


 大きなテーブルには、

 大小さまざまな料理が並べられている。


 大皿に、ローストされた肉のかたまり、

 その脇に色とりどりのソーセージと、

 カラフルな野菜のマリネ、

 鳥の丸焼きは美味しそうな焦げ目がついてて、

 巨大なパイからは湯気が立っている。

 

 オレがテーブルの料理に見入っていると、


 ドン!!!


 いきなり、小さな女の子がオレに飛びついてきた。


「ええっ!?」


(金髪に青い瞳!? 

 すげー!!異世界ファンタジー度アップ!!)

挿絵(By みてみん)

 オレはあらためて興奮する。


(って、感心してる場合じゃないや、

 リゼル、だ、誰だ!この子!!)


<へへへ、誰だと思う!?>


(えっ!!!誰だと思う!?

 ちょっ、ちょっと、勘弁してよ、

 こっちが聞いてんのに!!)


<…もう、ノリが悪いなぁ。>


(うっ…、確かにノリは、

 よくありませんよ…。

 だから、前の世界ではボッチだったし…。)


<あ、そんなに落ち込まないでよ、

 ちょっとふざけてみただけなんだから。>


(ううっ…、子どもにもて遊ばれるオレ…。)


<この子は、姪っ子のミレーネ。>


(め、姪っ子…。

 そ、そんなのさ、いきなりわかんないって。

 ふつうだったら妹とかじゃんそこは…。)


「リゼルお兄ちゃ────ん!」


 小さな女の子は、オレに抱きついたまま、

 泣きじゃくっている。


(ちょ、ちょ、ちょっと…!?

 こういう場合、

 どうすればいいんでしょうか?)


 オレは初めての状況に、

 てんぱってしまう。


<ねぇ、何でそんなにオロオロしちゃうの。>


(───え、あ、オロオロなんて、

 して…ないよ。)


 オレは一応強がってみる。


 すると、さっきまで泣いていたミレーネが、

 今度は満面の笑みでオレを見ている。


「リゼルお兄ちゃん!!」


<もう、しょうがないなー。

 僕のまねして言ってみて。


 いくよ。


「ミレーネ! 元気にしてたかー!」>


「え、あ、ミレーネ、元気にしてたかー!」


 オレは、あわててリゼルに合せる。


「もう…大丈夫なの。」


 ミレーネは嬉しそうに聞く。 


<うん。>


「う、うん」


「よかったね!ほら、ボボも喜んでるよ!!」


 ミレーネは、手に持ったヨレヨレのロバのぬいぐるみを、

 オレに見せつける。


「ボボもね、すっごい心配したんだから。」


「え、ボボ?心配…?。」


(おいリゼル、あれ、どこからどう見ても、

 ボロボロの小汚いぬいぐるみじゃん。)


<そんなこと言わないで、

 ボボはミレーネの大切な友達なんだから、

 話合わせてあげてよ。>


「お兄ちゃん、

 ボボにもお礼言わなくちゃね。」


「え、あ、その…、ボボ、あ、ありがとう。」


 オレは小汚いぬいぐるみにお礼をする。


「ダメ!もっと心込めて!!」


「え!?ダメなの…?」


<あははははは。>。


 オレの中でリゼルが笑う。


(くっそー…)


「ちょっと、ミレーネ!

 あんまりリゼルを困らせちゃいけないよ。」


 ふくよかな女の人が、

 料理を運びながらオレたちの話に入ってきた。


 ミレーネは、

 むーっと不満げな顔で、

 ゆっくりと、オレから離れる。


「…リゼル…ほんとよかったわ。」


 女の人はオレを見て涙ぐむ。


<…メリーおばさん!>

挿絵(By みてみん)

 リゼルも感極まる。


(あのぉ…、またまた、

 オレ、どうすればいいんでしょうか…。)


<え…、あ、そうだね、とにかく笑って!!>


 オレはとにかくリゼルに言われるがまま、ニッコリ笑った。


「ああ…リゼル…、

 よく頑張ったね。

 今日はごちそうだよ!!」


 メリーおばさんは、

 料理を持ったままオレを抱きしめた。

 


<僕は、オムルじいちゃん、

 メリーおばさん、ミレーネの3人と暮らしてるんだ。>


(く、苦しい───おばさん強く抱きしめすぎだって…。)



「おお、リゼルそろそろ準備できるぞ。

 メリーさん…、ホントによかったのぉ。」


 オムルじいちゃんに声をかけられ、

 メリーおばさんのハグが弱まる。


(はっ、はぁ…、た、助かった…。)


「ええ、ちゃちゃっと運んじゃいましょう。」

 メリーおばさんは料理の配膳に戻った。

 

 オムルじいちゃんは笑顔でオレを迎え、

 席に座らせる

 


「そういえば、リゼル、

 眼鏡はどうしたんじゃ…?」


「眼鏡…?」


<あ、そうだった!!>


(ど、どうかしたのか?)


<僕、視力が悪くって、

 普段メガネかけてたんだ。>


(え!?そうなの…、

 悪いってどれぐらい?)


<んーと、視力は0、01ぐらいで、

 乱視もあったんだ。>


(あ、あの…、今はふつーに見えてますけど…?)


<そういえば、そうだね……、

 さっきは眼鏡なしで、本読んでたもんね。>


(じゃ、じゃあ、なんて答えればいいんだろ…?)


<うーん、もういらなくなっちゃた。>


(え、ええ!!

 そんなんでいいの。)


<じゃあ、なんて説明すればいいのさ。>


(そ、そう言われても…)


<いいよ、いらなくなったんだからそれで。>


(は、…はい。)


「もういらなくなっちゃった。」


 オレは、リゼルに言われた通りに答えた。


「いらなくなった!?なんと…不思議な事が…」


 オムルじいちゃんは、目を丸くして驚いた。




─────────────────────

挿絵(By みてみん)



お読みいただきありがとうございます。

ブックマーク、評価していただき誠にありがとうございます(*'ω'*)

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― 新着の感想 ―
ボボ可愛いすき(*^ω^*)
takeです 拝読させてもらいました 挿絵があって読みやすいです! タツヤとリゼルの2人が今後どう活躍していくか楽しみです 引き続き読ませてもらいます 宜しくお願いします!
[良い点] ミレーネ可愛いですね♡家族の皆さん優しくてよかったです! 目を怪我したのに目が見えるようになるのは不思議ですね。 どんな経緯でパイロットになるのか楽しみです。
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