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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第一章 霧の中歩いていこう

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大罪魔術と、変容

もしよかったら感想やご指摘などよろしくおねがいします。


【鑑定】を大罪魔術に使う。この操作も慣れてきたもので、【鑑定】に関してだけいうならば思考発動は完璧といっても過言ではない。多分。


-------------

大罪魔術

 【怠惰】

-------------


「ん?【怠惰】って元々使えてたよね…?あぁ、いやこれが正規で禁書のほうが邪道なのかな」


元々使っていた【怠惰】に関していうならば、アレは禁書である【第一章】の力を借りることにより発動できていた魔術。

記された元の魔術があるように、おそらく大罪魔術の【怠惰】こそ【第一章】に記されていた【怠惰】のオリジナルに当たるのだろう。


個人的にも、いちいち禁書を使わずに済むという点はありがたいもので。

戦闘中に禁書取り出すという作業自体が大きな隙になるのは、これまでの決して多くない戦闘の中で学んでいる。


「大罪魔法に関しては習熟度が上がるまでは特に代わり映えはない、かな?」


仕方のないものは言ってても仕方ない。次の作業に移ることにしよう。

インベントリ内から、精霊鉱を取り出す。少しだけ試してみたいことがあるのだ。


「【大罪-怠惰】発動」


精霊鉱に対し【怠惰】を発動させる。イメージはその魔術を込めるように。

【刻印】のように刻むのではなく、精霊鉱という器の中に【怠惰】という中身を入れるイメージだ。

考え通りならば、うまくいけば面白いものになる。


-------------

精霊鉱 レア:Rare

 状態:【怠惰】

精霊によって作られた鉱石。魔力への適正が高い。

【怠惰】により変容途中(100/500)

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「んんー、あと四回かけてみるか」


一応思考発動の練習として【怠惰】を発声せずに発動させる。

コツは【禁書行使】で覚えていたので、早めに使えるようにはなりそうだ。


手早く四回かけた後、鉄っぽい銀色から薄い水色に変わった精霊鉱に【鑑定】をかけてみる。


-------------

精霊鉱【怠惰】 レア:Rare

 精霊により作られた鉱石が、大罪魔術を帯びることにより変容した鉱石。

 魔力への適正は高いが、特に大罪魔術への適正が高い。

-------------


成功、だろうか。

精霊鉱の説明文にある、魔力への適正が高いという文章。固有魔術も【刻印】できますよーってことかと考えていたのだが、この結果を見るに違うらしい。

あくまで固有魔術が【刻印】できるのは、副産物的なものだろう。


精霊鉱の本質は、この魔術を込めるという点なのではないだろうか。

魔術を込め、それにより変容し様々な性質を持った鉱石へ変化する。これを使えばよくあるゴーレムなんかも作ることが可能なんじゃないか?


「でもこれ実験として作ったけど何にしよう」


現在、既に【異次元錬成】にて護身石の短剣と普通の精霊鉱の合成を開始してしまっている。

新しく武器を作る、というのも今使っている両の短剣があれば大抵何とかなるので却下。


「……あ、そうだよ。これで防具作ってもらえばいいんじゃない?」


そういえばテセウスに仲介を頼んでいたのだった。

こちらが依頼する形になるのだから、素材に関して出来るだけ用意しておいたほうがいいだろう。…契約できるかはともかくとして。


「そうと決まれば、とりあえず今ある精霊鉱全部【怠惰】かけちゃうか」


ごろごろとインベントリ内から精霊鉱を取り出し、いつもの応用としてその全てに【怠惰】を同時にかける。出来るなら【範囲変異】のように複数対象に対し使えるようになりたいのだ。


ついでに布をインベントリから取り出し、扱いやすい大きさに短剣を使い切る。

その布に対しても一応【怠惰】をかけ、変容させられるかを確かめる。


-------------

布【怠惰】 レア:Normal

 大罪魔術によって変容した布。

 大罪魔術への適正が高い。

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「変容はする、けど精霊鉱の時より使用回数は多くなる感じかな?」


魔力への適正の差だろう。

しかし普通のアイテムかけ続ければ変容出来るのは大きい。買ったもののどうするか、と考えていた布や糸なんかを変容させておけば、割と良い素材になるだろう。

綿に関しては…適当に【チャック】内に移しておこう。何かの時に使えるだろうし。


しかし変容は便利だが、これもしかしなくとも錬成魔術の習熟度を上げれば魔術として取得できたのではないだろうか。

【刻印】とベクトルは違うが似たような魔術だから十分あり得る。


「ん?」


とここでフレンドメッセージが届いた。テセウスからだ。

内容を読むに、あの後すぐに連絡を取ってくれたらしく、また明日店に訪れてほしいとのこと。


では明日訪れるまでに糸やら布やらを出来るだけ変容させてしまおう。

使えるかはともかく、大罪魔術の習熟度上げにもなるからいいだろう。


「あとはー…木材まだあったよね」


インベントリ内から木材を一個だけ取り出す。【怠惰】により変容させ、そのあとに【変異】をかけ指輪の形にする。


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木の指輪【怠惰】 レア:Normal

 大罪魔術により変容した木を使い作った指輪。

 大罪魔術への適正が高い。

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出来た指輪を【チャック】に入れておく。

続いて、まだ残っていた薬草を【変異】により薬草の種にした後【怠惰】によって変容させる。


-------------

薬草の種【怠惰】 レア:Normal

 大罪魔術により変容した薬草の種。

 大罪魔術への適正が高い。

-------------


出来た種を【チャック】に入れ、木の指輪【怠惰】との【異次元錬成】を開始する。

自分に出来る装飾品つくりはこんなものだろう。

明日、土精族のプレイヤーに見せるためのアイテムを使うわけにはいかないし、これでいいだろう。


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