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異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?  作者: お子様
第3章 快適生活へ向けて頑張ろう!
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086 ありがた迷惑

「え~と、何でそんなやらせたいんです?」

「こいつらもさっき言ってただろ? 村に危険が及ぶ可能性があるからだ」

「俺が条件、例えば報酬額を変えたとして、その分はどこから出るんです?」

「お前の事だから、倒したモンスターは持ち帰るだろ?

 それを売って金にするから、ギルドから出す。

 その代わり、モンスターの素材はギルドの物にしてくれ。最悪、国に話を持っていく」

「じゃあ……」


俺は適当に条件を話した。


村までの移動は自力で。馬車は不要。

全て倒したかを確認する為にギルド職員が同行するのは良いけど、具現化した動物に乗ってもらう。

それが嫌ならギルドが馬を準備し、それで来てもらう。

俺の行動はギルドが仕切らない。俺の自由にさせてもらう。

同行するギルド職員の安全も保証しない。

基本的に野宿をするので、ギルド職員もそのつもりで。食事等も個人で自由にする。

報酬は2マクトルのままでOK。

同じモンスターで3体目からは追加報酬で1体につき5セクトル。

違うモンスターの場合は1体につき1マクトル。ただし職員が倒すか決める。

決める前に不意打ちされたりして倒してしまった場合、そのモンスターの討伐報酬は無し。

倒したモンスターの権利はギルドにある。ただし欲しい物がある場合は、5割引で購入出来る。

道中での素材回収や狩りは自由。それらの権利は俺にある。


かな~り、俺有利にした。

ぶっちゃけ、これくらい厳しくすれば断るだろう、という気持ちも込めた。

まぁ、ラノベだとOKになる事が多いので、受けても良いレベルにはしておいたけど。

忘れない内にメモしとかないとね。


「どうします?」

「……こりゃギルドマスター案件だな。ちょっと待ってろ」


そう言ってベルドさんはどっかに行ってしまった。

おいおいっ! この場に俺を置いて行くんじゃないよ!

ほらっ、主人公君達が俺を睨んでるじゃないか!


「……1人で行くんですか?」

「えっ? 決まればそうなるけど……」


いきなり話しかけてくるなよ。ビックリするだろ?


「……同行させてもらえませんか?」

「はぁ?! 何でだよ? 金目当てか? 貧乏なの?」

「違うわよっ! 同行した方が安全でしょ! クルナは貴方の為を思って言ってるの!!」

「……えっと、ありがた迷惑ですね。要りません。不要です。お断りします」


同行した方が危険だわっ!

特に俺の精神面が。きっとガリガリ削られるに違いない。

それにお守りをしながら戦うのも辛い。


「何故そんなに頑なに断るの?」


えっと~、確かこの娘は……パルとか言われてた娘だったかな?

瞬間湯沸かし器のセレフィだかって娘よりは冷静だな。

淡々と喋るね。キャラ分けかな?


「必要無いから?」

「倒したモンスターの運搬にも人手が必要。多数のモンスターに囲まれた場合も。

 なのに断る。何故?」

「いや、お前ら見たじゃん。動物。あれを俺は呼び出せるから」

「信じられない」

「じゃあ信じるなよ」

「証明してみて」

「他の冒険者や職員に聞いてみろ。事実って話してくれるだろ」

「この目で見ないと信じられない」

「だーかーらー、信じてもらえなくたって俺は困らない」

「見せてくれれば、クルナもセレフィも少しは冷静になれる」

「知らねぇよ」


見せたら済む話にも聞こえるが、それは幻想だと思う。

見せたら今度は違う要求をしてくるに違いない。

結局、ずっと付き合わなければならなくなるのだ。


俺が根気よく付き合って、納得させたとしよう。

そしたら今度は、また『パーティーに入ってくれ』という話を復活させるだろう。

断れば、また同じ事の繰り返し。


想像だけど、今まではっきりと断ったヤツは居ないんだろう。

まぁ声をかけたり寄ってきたのが全員女性だったとは思うけども。


いいじゃん。適当に稼いでハーレム作って生活してろよ。


「パ、パルももう少し冷静になろうよ~」

「ルルは黙ってて」


おっと新キャラ登場。

って回復役の娘じゃないか。よく見ればソックリ。双子だったのか。

髪型が違うから分からなかったよ。

ゴメンね。おっさんは段々と若い女の子の区別が出来なくなってくるのだよ。

アイドルグループとか、2・3回見ただけじゃ誰が誰やら。

あっ、某国のは整形してるらしいから似ててもしょうがないよね。うん、しょうがない。

全員が今ウケる顔にするんだもん。しょうがない。もう一度言っておこう。しょうがないんだ。


あっ、ヤベェ、全員が詰め寄ってきそうな感じになってきた(ルルと呼ばれた娘は除く)。

ベルドさんが戻ってきた! 待ってました! よっ、大統領!


「ギルドマスターに話を通した。さっきの条件でOKだそうだ」

「マジですか?」

「ああ。出発は明日の朝。同行者は俺だ」

「マジかー」

「お前が言った条件なんだからな。受けるよな? ほれ、ここにサインしろ」


しょうがない。諦めよう。


それよりもポジティブに考えるんだ!

帝都に居れば、こいつらにまた絡まれるだろう。

それよりも10日くらい出かけてる方が良い。

欲言えば、同行者は女性の方が良かったけど。


サインしてる間も、ハーレムには睨まれている。

完全に俺は無視してるけどな。


「ベルドさん」

「バルか。何だ?」


この状況でも話しかけるのか。すげーな。


「この人が動物を出せると言う」

「ああ、事実だな」

「でも見せてくれない」

「で?」

「説得して」


とうとうベルドさんを動かそうと画策してきた。

どうするんだろう? ベルドさんに頼まれてもこの場では出さないけどな。


「……お前らは冒険者だよな?」

「当たり前」

「ここは冒険者ギルド。こいつも冒険者。なら判るだろ?」

「……依頼を出せと?」

「そういう事だ」


なるほど! ベルドさん、考えた。

ギルドに「動物が見たいから出して欲しい」という依頼を出せと言っているんだね。

それならギルド職員であるベルドさんも動きようがある。

逆に言えば「金も出さずに頼み事してんじゃねぇ」という事にもなるけど。

この場合の金ってのはギルドではなく、俺の為だろうけど。


居るんだよねぇ。無料に文句言う人。

無料には無料なりの事しかない。有料並の事はしないのが普通。

サービスってそういう事だろ。

聞いた話だが、コンビニでトイレを使わせるのもサービスらしい。

だから使い方が悪ければ利用停止もある。

なのに利用停止したコンビニに文句を言うらしい。

使い方の悪い利用者に文句は言わないのだ。当たり前を享受しすぎだろ。


「……じゃあ依頼を出す」

「おう、そうしろ。

 お前らも冒険者だから知ってると思うが一応言っておくぞ。

 依頼を断る権利を冒険者は所有してるぞ。依頼しても受けてくれるとは限らない。

 その場合でも依頼は出してギルドは受理してるから手数料は発生するからな?」

「……じゃあどうすれば?」

「断らないくらいの高額な依頼料を出すしかねぇんじゃねぇの?」

「……」


正論だ!

俺も動物を具現化するだけで1000万円払いますと言われれば、受理するかもしれない。

逆に1万円と言われれば、面倒の方が勝って断る。


結局、依頼は出さないようだ。

周囲に味方が受付の女性しかいないと気づいたっぽい。

俺を睨みながら出ていったよ。

またどこかで絡んでくるんだろうなぁ。やだな~、怖いな~。

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