040 断る前提かよっ!
本日2話目の投稿です。
俺はのそのそとテントから出る。
「何スか?」
「何だじゃないだろ! 中ではテントを張ってるし、外には変な生き物が居て入れないし!
何なんだ、お前は!!」
「だから言ったじゃないですか。色々入る袋を持ってるって。生き物も召喚出来るって」
「言ったけども!! 信じるヤツいないだろ!!」
「信じたでしょ?」
「信じたよ! 証言も取れたしな!!」
ギルドの職員からの聞き込みも終わったようだ。
じゃあ釈放かな?
「お前を襲った奴らの証言も取れた」
「じゃあ、俺の無実も証明されましたね。出ても良いですよね?」
「いや、まだだ」
え? 何で?
俺、無実だよ?
「お前に会いたいという貴族の方がおられる。
どこかに行かれても困るので、来られるまでは逗留してもらう」
「それって不当じゃないですか?」
「貴族には逆らえん」
「え~~~……」
これだから貴族は。
「どうせアレでしょ? 仕えろとか、沢山入る袋よこせとか、生き物召喚しろとかでしょ?」
「さあ、知らん」
「全部断るんだから、居なくても一緒ですよ?」
「断る前提かよっ!」
「断りますよ。受ける必要が無いでしょ」
「貴族に仕えるのは名誉だぞ。給料も良い。袋や生き物を売れば遊んで暮らせるかもしれんぞ」
「名誉なんて1トルにもならないので不要です。物は売らなくても自力で稼げるので」
名誉なんかあったって、何の役にも立たない。
国に仕えてれば、名誉を得られれば給料が上がるかもしれないけどね。
一般人の場合、名誉があったら年金でも貰えるのか?
「そんな事よりも、俺を襲った黒幕は判りましたか?」
「……それを聞いてどうする? 復讐でもする気か?」
「まぁ、そうですね」
「それを聞いて教えると思うか?」
そりゃそうだ。
面倒事になるのが判ってるのに言う訳が無いよな。
「ならそちらで対処してくれます?」
「帝都でもかなりの大手の商館だった。注意くらいしか出来ないだろう……」
「何もしてくれないなら、俺がやるしか無いですよね?」
「やるな、って言ってんだ!」
「いやいや、手出ししたら痛い目を見るって教えないと、今後も出てきますから」
「我々が注意する!」
「聞くようなら街中で襲って来ないでしょ。なめられてますよ?
俺がやりますって。知らないフリをすれば良いんですよ」
「……無理だ」
う~ん、どうしたら教えてくれるだろうか?
真面目な少佐を困らせたくはないんだけどなぁ。
襲撃すれば、どっちにしろ困らせるか。じゃあいいや。俺の平穏の為だ。
「教えてくれないなら、帝都にある商館を片っ端から襲いますよ?」
「そんな事をして無事に済むと思ってるのか?」
「思ってますよ?」
「良くて投獄、悪くて死刑だぞ?」
「どちらも無理ですね」
「既に投獄されているのにか?」
「いや、いつでも出られますし」
「は?」
「出る方法なんかいくらでもありますよ。
壁を壊すとか、その生き物を牢屋の外に召喚して鍵を持ってこさせるとか、俺が鍵を開けるとか」
「魔法封じの牢だぞ?! ……だが既に召喚してるな。鍵が開けられる??」
少佐は混乱している!
目の前でやってあげた方が良いかな?
俺は万能鍵で牢屋の鍵を開ける。
そのままサルを護衛にして外に出る。
「ほらね? 出たついでにトイレに行こうかな。あっ、場所は判ってるのでついて来ないでも良いです。
心配しなくても戻ってきますって。テントもあるし」
「…………頭痛がしてきた」
少佐、頭痛ですか?
「薬要ります?」
「お前のせいだっつーの!!」
39話で万能鍵の所が説明不足でしたので修正しました。
お詫びも兼ねて2話目投稿です。




