第47問 「推理パズル」その9・解答
まずは、問題文から。
ある町に、新井さん、高城さん、四村さん、嘉藤さん、仲元さんという五人が住んでいます。
新井さんは3匹、高城さんは2匹、四村さんは4匹、嘉藤さんは1匹のネコを飼っています。仲元さんはネコを飼っていません。
ある日のこと。仲元さんちの鯛の刺身を、この10匹のうちのいずれかのネコが食べてしまいました!
仲元さんによると、鯛を盗んだネコは「白い首輪」をしていたそうです。
次の情報を元に四人の飼い主の話を聞いて、犯ネコは誰が飼っているどんな種類の何ていう名前か、当ててください。
~情報~
①10匹のうち、オスとメスは5匹ずつであり、
オスの名前は「ソラ」「ハル」「フク」「マル」「レオ」
メスの名前は「ココ」「メイ」「モモ」「リン」「ルナ」
である。
②ネコの種類は、「マンチカン」が4匹、「ベンガル」と「ペルシャ」が2匹ずつ、「シャム猫」と「ロシアンブルー」が1匹ずつである。
③10匹にはそれぞれ印がついている。
「赤い首輪」「赤いリボン」「赤いシュシュ」「青い首輪」「青いリボン」
「黄色い首輪」「黄色いリボン」「緑の首輪」「桃色のリボン」「白い首輪」
である。
④飼い主が言っている10匹の好物は「肉」が2匹、「赤身魚」が2匹、「白身魚」が3匹、「キャットフード」が3匹である。
ただし、「白身魚」のネコが犯ネコとは限らない。
⑤飼い主は自分の家のネコは「呼び捨て」だが、よその家のネコは「ちゃん」「くん」付けで呼ぶ。
それでは以上の情報を踏まえ、飼い主の証言をもとに表を完成させていきましょう。
~飼い主の証言①~
新井
「ウチは3匹とも首輪で、同じ種類のネコよ」
高城
「ウチは2匹ともメスで、赤色の印をつけているわ」
四村
「4匹のうちオスが3匹、メスが1匹よ。印の色はバラバラで、首輪が2匹、リボンが2匹ね。猫の種類もバラバラなの」
嘉藤
「ウチのネコは、ベンガルのモモよ」
新井さんの家のネコは3匹とも同じ種類なので、4匹いる「マンチカン」で確定。
そして、高城さんちが「メス2匹」、四村さんちが「オス3匹・メス1匹」、嘉藤さんちが「メス1匹」なので、新井さんちのネコは「オス2匹・メス1匹」で確定します。
首輪は「赤・青・黄・緑・白」の5色あり、新井さんちの3匹と四村さんちの2匹が首輪ですから、高城さんちのネコの「赤い印」は首輪ではありません。
よって高城さんちのネコは「赤いリボン」と「赤いシュシュ」で確定します。
これと嘉藤さんの台詞から、表は次のようになります。
それでは、次の証言です。情報量が多いので前半と後半に分けます。
~飼い主の証言②・前半~
新井
「食べ物の好みはバラバラね。マルは肉が好きよ。……あっ、メイ! ココちゃんと喧嘩しないの! ……もう、メイったらココちゃんとは同じ種類だから、ライバル意識でもあるのかしら?」
高城
「2匹ともキャットフードしか食べないわ。おとなしくて、特にルナは他に誰も飼っていない種類の猫だし、1匹で静かにしていることが多いわね」
新井さんの台詞から、「ココ」は「マンチカン」だと分かります。
四村さんちのネコは種類がバラバラなので「マンチカン」「ベンガル」「ペルシャ」「シャム猫」「ロシアンブルー」から4つということになりますが、高城さんちには1匹しかいない「シャム猫」か「ロシアンブルー」の片方がいますから、四村さんちには「マンチカン」「ベンガル」「ペルシャ」がいることは確定。
すると、四村さんちの「マンチカン」が「ココ」であり、「メス」であると確定します。
そして同時に、高城さんちのネコの片方は「ペルシャ」で確定します。
あとは「好きな食べ物」や「名前」など、分かった部分を埋めると次のようになります。
それでは証言②の後半に行きましょう。
四村
「ウチは魚しか食べないわ。こら、ハル! リンちゃんのリボンを悪戯しないの! きっと同じペルシャだし、気を引きたくて仕方ないのね」
嘉藤
「私ももう1匹ぐらい飼いたいわ。ウチの子と同じ色の印……あの黄色い首輪のシャム猫、可愛いわね」
四村さんの台詞から、「リン」は「高城さんちのペルシャ」で「赤いリボン」をつけていると確定します。
嘉藤さんは「黄色」の印だが「首輪ではない」ことから、「黄色のリボン」で確定。
また、「シャム猫」が「黄色の首輪」をつけていることから、「ロシアンブルー」が「高城さんちのルナ」であり、「シャム猫」が「四村さんち」と確定します。
もう1匹の「肉」好きは四村さんちか嘉藤さんちのネコですが、四村さんの台詞から「モモ」の好きな食べ物は「肉」だと確定しますね。
よって、表は次の通り。
それでは、最後の証言に行きましょう。ここも2つに分けます。
~飼い主の証言③・前半~
高城
「赤い印がメスにしか付いていないように、青い印もオスにしか付いていないわ」
四村
「ソラは緑色の首輪をしているの」
四村さんが「ソラ」は「緑色の首輪」と断言していますから、新井さんの猫の首輪の色は「赤・白・青」で確定します。
そして高城さんの台詞から「赤い首輪」は「新井さんちのメス」、「青い首輪」は「新井さんちのオス」となります。
次に「青いリボン」は「四村さんちのオス」であり、「ソラ」ではなく「シャム猫」でもないですから、「ハル」で確定します。同時に、「桃色のリボン」は「ココ」で確定しますね。
よって、表は次の通り。
それでは、最後の証言に行きましょう。
嘉藤
「青い印をつけているネコは赤身魚が好きだそうよ。でも、それはレオくんじゃないわ」
これで新井さんちの「マル」が「白い首輪」であり、もう1匹が「青い首輪」と確定。そして、その名前は「レオ」ではないので、「フク」であると確定します。つまり、四村さんちのネコが「レオ」ですね。
また、青い首輪の「フク」と青いリボンの「ハル」が赤身魚ですから、その他の四村さんちの残りの3匹の好物は「白身魚」。そして、新井さんちの「メイ」は「キャットフード」である、と確定します。
という訳で、表は次の通り。
よって、仲元さんちの鯛の刺身を食べた犯ネコは、
「新井」さんちの「マンチカン」である「マル」
でした!




