第39問 「ちょっとしたクイズ」その20
今回は算数の『平均算』と呼ばれるものを扱います。
ゴリゴリ計算しても求められますが長方形の図を使うと楽ですよ、というお話。
今回も、まずは説明からいきます。
次の問題を考えてみましょう。
『5人の子供が同じ太さの粘土を持っています。しかし長さはそれぞれ62cm、71cm、73cm、67cm、72cmとバラバラです。
5人の粘土を集め、みんな同じ長さになるように分けたとき、1人何cmになるでしょう?』
さて、計算は
(62+71+73+67+72)÷5=345÷5=69
となり、答えは「69cm」となります。
これを図に表すと、下のような感じです。
平均というのは、こうして全部の長さを均等にすることなんですね。
このとき、黄色の長方形の面積の合計と、緑の長方形の面積の合計は同じになっています。
ですが、全部の粘土を合わせて5等分するより、一番短い人に合わせてはみ出た分の粘土だけを合わせ、5等分した方がラクですね。
この場合の計算は
(9+11+5+10)÷5=35÷5=7
62+7=69
となります。
図で表すと、下のような感じです。
このときの「62」を仮の平均、と言います。
中学生だと負の数も習いますので、仮の平均を「70」として
(-8+1+3-3+2)÷5=(-5)÷5=-1
70-1=69
と計算し、より小さい数の演算で済むようにしたりしますけどね。
では、次の問題です。
『ある学校のA組とB組の2クラスで同じテストを行いました。
A組の平均点は全体平均より3点高いです。B組の平均点は全体平均より4点低いです。
A組とB組の人数の合計が63人だとすると、A組とB組の人数はそれぞれ何人でしょう?』
さて、これは次のような図を用いて考えます。
平均算の考え方でいくと、緑の長方形と黄色の長方形の面積は同じになるはずです。
縦の長さの比が「3:4」ですから、横の長さの比は「4:3」。
よって
63×4/7=36
63×3/7=27
より、答えは「A組が36人、B組が27人」となります。
それでは、問題!
* * *
ある学校の生徒119人を、A組・B組・C組の3つのチームに分けて同じテストを行いました。
すると、A組の平均点は全体平均より4点低く、B組の平均点は全体平均より4点高く、C組の平均点は全体平均より1点高くなりました。
また、B組の平均点は「B組とC組の2クラス平均」より1.2点高く、C組の平均点は「B組とC組の2クラス平均」より1.8点低いです。
①A組・B組・C組の人数はそれぞれ何人でしょう?
②「A組とC組の2クラス平均」と「B組とC組の2クラス平均」の差は何点でしょう? ただし、仮分数で答えなさい。
②は①のおまけです。少々ゴツい分数になってしまいますが、気にしないでくださいね。
なお、今回は「長方形で考えてみてね!」ということなので、暗算でやる必要はありません。
特に②は暗算が難しい。少なくとも私はできないです。
(気軽にやってみてね、という趣旨からちょっと逸れてしまいましたね……)




