第32問 「ちょっとしたクイズ」その16・解答
まずは問題のおさらいから。
ヒトデとタコとイカが合わせて10匹います。ヒトデとタコとイカの腕の数を足すと87本でした。
ヒトデ、タコ、イカは何匹ずついますか?
※ヒトデの腕は5本、タコの腕は8本、イカの腕は10本とします。
まず、すべてヒトデだとします。
5×10=50
87-50=37
すると、面積図は次のようになります。
黄色の長方形の縦の長さが「5」になりますから、足して『37』になる3の倍数と5の倍数の組み合わせを考えると
『12+25』 『27+10』
の2通りになります。
ですが
27÷3=9
10÷5=2
より、『27+10』はタコが9匹、イカが2匹となって10匹を超えるから不適です。
ですので、答えは『12+25』となり、
12÷3=4
25÷5=5
10-(4+5)=1
これにより、答えは
『ヒトデが1匹、タコが4匹、イカが5匹』
となります。
なお、ちゃんと計算した場合は次の通りです。
5×10=50
87-50=37
37÷5=7・・・2
5×6=30 (37-30)÷3=2・・・1
5×5=25 (37-25)÷3=4
5×4=20 (37-20)÷3=5・・・2
5×3=15 (37-15)÷3=7・・・1
5×2=10 (37-10)÷3=9
※タコとイカの合計が11匹となり不適。
これ以上は同じ理由でありえない。
あくまで「ちゃんと書くなら」の話です。5と3の最小公倍数は15ですから、本当は『15』ごとに調べれば十分。『25』を見つけたら25-15で『10』を調べれば十分です。
なお、割烹で実施した際にいくつか別解が寄せられましたので、参考までに書いておきますね。
* * *
≪別解1≫
腕の合計「87」は奇数だから、ヒトデの数は必ず奇数になる。
5を引いた「82」で考えると、ヒトデの数は偶数なので腕の数は「10」の倍数。
よって、ヒトデとイカとタコの合計が9匹で
「10の倍数(ヒトデの腕の合計)」+「10の倍数(イカの腕の合計)」
+「8の倍数(タコの腕の合計)」=82
だから、8の倍数の1の位は2。
これは「8×4=32」しかない。(※「8×9=72」は上記の式と合わない)
よって「タコは4匹」で確定するから、残りの条件を整理すると
『ヒトデとイカが合わせて5匹で、腕の合計は50本。
ただし、ヒトデの数は偶数。(※1匹は避けてある)』
となる。ヒトデが0匹のときと2匹のときと4匹のときを確認すればよいので
5×0=0 50÷10=5 ∴ 合計5匹となり適
5×2=10 (50-10)÷10=4 ∴ 合計6匹となり不適
5×4=20 (50-20)÷10=3 ∴合計7匹となり不適
以上より『ヒトデが1匹、タコが4匹、イカが5匹』。
* * *
奇数偶数と1の位に注目した、面白い回答ですね。
これと似た考え方で、次のような解法もあります。
* * *
≪別解2≫
イカの腕の合計は必ず10の倍数になるから、腕の合計「87」の1の位「7」はヒトデの腕の合計とタコの腕の合計を合わせた数の1の位になる。
ヒトデの腕の合計は5の倍数だから1の位は「0か5」、タコの腕の合計は8の倍数だから1の位は偶数」。よって組み合わせは「5+2」のみである。
タコの腕の合計は8の倍数より1の位が「2」になるものを考えると「8×4=32」のみ(※「8×9=72」は条件に合わない)だから
87-32=55
よってヒトデとイカを足すと6匹、ヒトデとイカの腕の合計は55本。
ヒトデの数は奇数だから、1匹、3匹、5匹を確認すればよい。
* * *
さらに、次のような解答も。
* * *
≪別解3≫
すべてタコだと仮定すると、「80」。
タコをヒトデに置き換えると1つにつき「-3」、タコをイカに置き換えると、1つにつき「+2」となる。
「-3」と「+2」を組み合わせて「+7」を作ればよい。
つまり、イカは明らかに5匹以上で
2×5-7=3=3×1 ∴ イカが5匹、ヒトデが1匹となり適
2×6-7=5 ∴ 3の倍数でないので不適
2×7-7=7 ∴ 3の倍数でないので不適
2×8-7=9=3×3 ∴ イカが8匹、ヒトデが3匹となり、10匹を超えるので不適
これ以上はイカとヒトデの合計が必ず10匹を超えるので確認は不要。
よって、『ヒトデが1匹、タコが4匹、イカが5匹』となる。
* * *
なお、後半の「-3」と「+2」で「+7」を作るというのは、
-3a+2b=7
を満たす10未満の自然数a、bを見つければよい、と説明できます。
-3a+2b=3+4
2(b-2)=3(a+1)
b-2は3の倍数よりbは3で割って2余る数。
bは5以上9以下ですから、5か8ですね。
b=8のときはa=3となり10を超えるので不適となります。
どこに注目するかで、いろいろな解法がありますね。
おまけ問題の解答をざっくりと書いておきます。
◆◆おまけの問題◆◆
ヒトデとタコとイカが合わせて20匹います。ヒトデとタコとイカの腕の合計は146本です。
ヒトデとタコとイカは何匹ずついますか?
ただし、ヒトデの数が一番多く、イカの数が一番少ないものとします。
まず、146-5×20=46。
タコはヒトデより少ないから9匹以下で、イカの数は一番少ないので6匹以下。
つまり3の倍数は27以下で5の倍数は30以下でなければならないから『21+25』しかありえない。
よって『ヒトデが8匹、タコが7匹、イカが5匹』。




