第29問 「ちょっとしたクイズ」その14・解答
まずは、問題のおさらいから。
試験管に入っている5種類の気体A、B、C、D、Eについて次のことが分かっています。
① Eの気体だけ色がついている。
② AとBは水に溶けにくかったが、CとDとEは水に溶けた。
③ ②でできた3種類の水溶液にBTB溶液を加えると、CとEは黄色、Dは青色だった。
④ マッチの火を近付けると、Aはポッと音がし、Bはマッチの炎が大きくなった。
5種類の気体は「CO2」「H2」「O2」「NH3」「Cl2」のどれでしょう?
※数字は本来下付きなのですが、「環境依存文字」なので念のため使用を避けました。
それでは、解説。
まず、「CO2」は「二酸化炭素」、「H2」は「水素」、「O2」は「酸素」、「NH3」は「アンモニア」、「Cl2」は「塩素」です。
このうち、色がついている気体は「塩素」で、「黄緑色」。
よって①より、Eは「塩素」となります。
次に②。水に溶かしたとき、溶けにくいのは「水素」と「酸素」。溶けるのは「二酸化炭素」「アンモニア」「塩素」です。
③で使っているBTB溶液は「酸性」「アルカリ性」「中性」を識別する試薬で、「酸性」のとき「黄色」、「アルカリ性」のとき「青色」、中性のとき「緑色」になります。
「二酸化炭素」を水に溶かすと
CO2 + H2O → 2H+ + (CO3)2-
となり、水素イオンが発生しますので「酸性」。
「アンモニア」を水に溶かすと
NH3 + H2O → NH4+ + OH-
となり、水酸化物イオンが発生しますので「アルカリ性」。
ちなみに、「塩素」については中学知識を越えるので調べてみました。
Cl2 + H2O → HCl+HClO
ということで、塩化水素と次亜塩素酸というものが発生して、酸性を示す、ということですね。
次に④。
「水素」と「酸素」にマッチの火を近づけたとき、「水素」は空気中の酸素と反応し
2H2 + O2 → 2H2O
このような化学反応式になります。
このように、光や熱を出しながら酸素と化合することを「燃焼」といいます。
マッチの火により、「水素」が「燃焼」して「水」になった、ということですね。
また「酸素」は「助燃性」があるため、炎が大きくなる、という訳です。
以上より、正解は
A:H2 B:O2 C:CO2 D:NH3 E:Cl2
となります。




