第23問 「ちょっとしたクイズ」その11・解答
では、問題のおさらいから。
上の2つの回路図の豆電球A~Dを明るい順に並べると、どうなりますか?
さて、電流回路のおさらいをしますと
●「電圧」÷「電流」=「電気抵抗」
●「電流」×「電圧」=「電力」
●直列回路の特徴
①電流の強さはどこも同じ
②電圧の大きさは各豆電球(抵抗)にかかる電圧の和
③それぞれにかかる電圧の大きさは電気抵抗に比例する
●並列回路の特徴
①電流の強さは各豆電球(抵抗)を流れる電流の和
②電圧の大きさはどこも同じ
③それぞれを流れる電流の強さは電気抵抗に反比例する
この性質を踏まえますと、計算しなくても順番はわかります。
同じ抵抗だと、直列回路より並列回路の方がかかる電圧が大きいので
C>A かつ D>B
直列回路では電流が一定なので、抵抗が大きいほど電圧が大きくなるから
B>A
並列回路では電圧が一定なので、抵抗が小さいほど電流が強くなるから
C>D
よって明るい順に並べると,
C>D>B>A
となります。
計算で確認してみますね。
まず、直列回路。
電圧は抵抗に比例しますので、Aにかかる電圧とBにかかる電圧の比は1:2。
全体電圧は3Vなので、Aにかかる電圧は1V、Bにかかる電圧は2Vとなります。
そうすると、回路を流れる電流の強さは
1÷10=0.1[A]
よって電力を計算すると
A:0.1[A]×1[V]=0.1[W]
B:0.1[A]×2[V]=0.2[W]
となります。
次に、並列回路。
C、Dにかかる電圧はともに3Vなので、C、Dを流れる電流の強さは
C:3[V]÷10[Ω]=0.3[A]
D:3[V]÷20[Ω]=0.15[A]
よって電力を計算すると
C:0.3[A]×3[V]=0.9[W]
D:0.15[A]×3[V]=0.45[W]
となりますね。
ちなみに
直列回路において、「全体抵抗」=「各抵抗の和」
並列回路において、「全体抵抗の逆数」=「各抵抗の逆数の和」
という公式を習った覚えがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
これを知っていると直列回路の方は
3÷(10+20)=0.1[A]
と計算できるので、少しラクになります。
ただ、オームの法則と直列回路と並列回路の特徴が分かっていれば必要のない公式であり、現在は学習指導要領からもなくなっています。




