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第60問 「ちょっとしたクイズ」その32

 今回は『ニュートン算』と呼ばれる問題です。

 実は以前、『牧草の問題』という形で一度出題しています。

 (第15問「ちょっとしたクイズ」その7)

 さて、問題の前にちょっとした雑談から。

 なぜ『ニュートン算』と呼ばれているのだろうか?……と思いました。

 他は『鶴亀算』『旅人算』など日本語ですし、その特徴を押さえたネーミングになっているのに。


 調べてみたところ、アイザック・ニュートンによる数学書に牛と牧草の問題が載っていることから、これ系の問題を『ニュートン算』というそうです。


 似た物に、『仕事算』があります。

 『仕事算』は仕事にかかる時間とその労働力に関する問題です。だいぶん前に出題した『稲刈りの算数の問題』がコレにあたります。(第9問「ちょっとしたクイズ」その4)

 そしてニュートン算とは、

「仕事を片付けている間も一定量ずつ仕事は増える」

という要素を入れたものになります。


 それでは、次の例題を考えてみましょう。


   * * *


 ある日のこと。映画館では、受付開始前にすでに30人の行列ができていました。この映画館では、1分あたり5人が入場できます。

 受付を開始してからこの映画館の行列がなくなるまで10分かかりました。受付を開始してから新たにこの行列に並んだ人は、1分あたり何人でしょう?


   * * *


 1分で5人入場させられるなら、30人は6分でいなくなるはずです。

 ですが新たに列に並ぶ人がいるから、10分かかった訳ですね。

 つまり、30人の人を受付処理している間も1分毎に何人かずつ並ぶ人が増えているから、それが何人ですか?という問題です。


 受付を開始してから10分で行列がなくなったので、この10分で入場した人数は

   5×10=50(人)

 受付開始前に30人が行列に並んでいたので、受付開始後に並んだ人数は

   50-30=20(人)

 10分で20人並んだので、1分あたりの並んだ人数は

   20÷10=2(人)

 よって、答えは『2人』となります。


 これは、1分で受付できる人数は5人に対し、並ぶのは2人ですから、毎分3人ずつ行列の借金を消している、とも言えます。

 よって

   30÷3=10

より、受付前に並んでいた人数30人を消化するのに10分かかった、とも言えますね。


 それでは、これを踏まえて問題です。


   * * *


 あるイベント会場に600人の行列ができています。この会場の入口は、5秒で1人入場することができます。

 入場開始後、行列がなくなるまでに2時間かかりました。


問題1

 入場開始後から新たに行列に並んだ人は、1分あたり何人でしょう?


問題2 

 この日、入場を開始してから18分後にもう一つの入口を開けて、入場口を二つにしたとします。

 このとき行列がなくなるまでに、何分かかりますか?

 ただし、二つ目の入口も5秒で1人入場することができるとし、1分あたりに新たに行列に並ぶ人数は問題1の答えと同じとします。

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加瀬優妃は現在
『田舎の民宿「加瀬優妃亭」へようこそ!』
というエッセイを連載しております。
「なろう世界」での日記みたいなものです。
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