第5問 「ちょっとしたクイズ」その2・解答
まずは、問題のおさらいから。
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この図は、地球と太陽光、そして月が地球の周りを回る様子を北極側から見たものです。
次の4つの俳句で描かれている情景の月は、図のA~Hのうち、それぞれどれでしょう?
注:答えは1つとは限りません。すべてバラバラとも限りません。
① 三日月や ふわりと梅に 鶯が(小林一茶)
② 有明や 寝ぼけて白む 鹿の顔(正岡子規)
③ 見る影や まだ片なりも 宵月夜(松尾芭蕉)
④ 菜の花や 月は東に 日は西に(与謝蕪村)
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まず、ヒントとして出していたことは2つ。
・「地球の自転の向きは北極側から見て反時計回り」だということ。
・「月の満ち欠け」の覚え方で、「右残り右減りー」と言っていたこと。
図の月で、光っている部分は黄色く、影になる部分は黒く塗ってありますから、地球から見てどこが光っているかを考えると
A:真っ黒
B:右側が少し光っている
C:左側が少し光っている
D:右半分が光っている
E:左半分が光っている
F:右側の大部分が光っている
G:左側の大部分が光っている
H:全部光っている
となりますね。
Aが新月、Hが満月であり、「右残り右減り」から、月の公転の向きも反時計回りになります。
このことから
A:新月
B:三日月
C:陰暦27日頃
D:上弦の月
E:下弦の月
F:陰暦12日頃
G:陰暦18日頃
H:満月
となります。
では、俳句の方を見てましょう。
① 三日月や ふわりと梅に 鶯が(小林一茶)
これは「三日月」とはっきり書いてありますね。
② 有明や 寝ぼけて白む 鹿の顔(正岡子規)
「有明」とは夜が明けきっても空に残っている月の事で、陰暦16日以降、つまり満月より後の期間の月を指します。
③ 見る影や まだ片なりも 宵月夜(松尾芭蕉)
「宵月夜」とは「宵の間だけ月が出ている夜」を指し、陰暦八月の二日月から七日ごろの上弦の前までを指します。
④ 菜の花や 月は東に 日は西に(与謝蕪村)
「月は東に日は西に」から、夕方に昇り始める月を指します。
夕方とは、図で言うと地球が左を向いているとき。このとき昇り始める月は、満月です。
……という訳で、答えは
①B ②CとEとG ③B ④H
となります。
※ちなみに、「有明」については特に20日以降を指すことが多い」と書いてあるところもあったので、②は「CとE」でも可。
ですので、時刻と月の形からだいたいの方角がわかる、ということですね。
道に迷ったときは使える……かな?




