45 ヒューイ初登校する
東の離宮から学園へと登校する為の馬車に乗り込み、密室で打ち合わせをするのは公爵家当主、皇太子、第2王子という3人である。
もしも馬車を襲われたら戦争起こっちゃうよ? テヘペロ。
みたいな身分の詰め合わせの馬車内だが、そんな暴挙に出る輩はまずいないだろう。
それはアガスティヤ公爵家の紋章入りの漆黒の馬車の周りは、国内だけで無く諸外国にも有名なアガスティヤ騎馬隊がガッチリ囲んでいるからだ。
因みに下手に突っかかって行ったりしたら、無事で帰れそうに無さそうな気分になる位には全員顔がめっちゃ強面なので正体を知らなくても誰でも普通に引くし道を譲るのが正解という噂もあるのが、アガスティヤの騎馬隊である。
今日も安心安全の通学路を辿る途中で3人が話し合う内容は、学園内での対応だ。
アンドリューに関しては同敷地内内に学院(大学)があるが、学園(高校)とは建物が離れていて2人とは別行動なので良いのだが問題はヒューイである。
「いい、絶対に急に座禅組んだり西向いて拝んだりしないのよ? 品行方正にするのよ? 帝国の『猫被りちゃんモード超よそ行きヒューイ君』を召喚するのよッ」
「え~、そんなぁ。メンドクサイ・・・折角身分隠してんのにさぁ」
ブーブーとブーイング中のヒューイは口を尖らす。
「仕方ないでしょ、初日から『the王子様』をやっちゃったんだから。それにフロイライン王女のせいでアンタの身分なんか既に暴露されちゃってるから私がヒューイのマネをしてたなんてバレたら面倒じゃないのよ。アンタ猫かぶるのなんてお手の物でしょうが」
「へーい」
降参といった感じで両手を上げるハトコ。
「俺は、リアの側では普段通りでいいんだね?」
「アンディはリアと普段通りイチャイチャすればそれで良いんだよ」
ニヤニヤ笑うヒューイに向かって
「「イチャイチャ?」」
と口を揃えるアンドリューとオフィーリア。
「兄上にも言われたが、いつも通りイチャイチャ?」
「してるの?」
不思議そうな顔になる2人に向かい半目になるヒューイ。
「ソレがイチャイチャじゃなかったら、世の中の夫婦はみ~んな離婚調停中だよッ、あぁ~、無自覚ってこええ~~~・・・」
ヒューイは自分の両肩を自分で抱いてブルブル頭を振ったあと、目の前で首を傾げながらオフィーリアの腰に手をガッチリ回しているアンドリューに向かって
「そういうトコだよお前らッ」
と、言った――




