表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/55

43 沙汰は?

 「フロイライン王女の我が国での振る舞いは逐一ヴァルティーノ王国へ報告書を送っている。それを判断するのはあちらであって我が国の関知する事ではない。其れはアンディにも以前説明した通りだ」


「ええ、確かにそう説明されました」



 アンドリューが兄の言葉に頷いた。



「これは国としての取り決めだ。しかし個人としてはその限りでは無いよ」



 少しばかり考える素振りをする王太子オースティン。



「ヴァルティーノ王国へフロイライン王女の起こした騒動に対する損害賠償を求めるのは我が国から纏めて送るつもりだ。但し直接被害を受けた貴族はどの位いるのかという話になってくるとねぇ」



 フフフと引き攣り気味で笑うオースティン――



 確かにフロイライン王女はスティール王国との戦争問題には加担していないので戦争犯罪者として裁かれるような()われはないし、ヴァルティーノ王国の兵が反乱未満の騒動を引き起こしたのも彼女の手紙のせいか? と言われると関与は全くしていない。


 フロイライン付きの侍女から本国へ送る前に手紙を横流しさせ皇太子妃に回ってきていた便箋に書かれていた内容は、兎に角アンドリューの婚約者になりたいと言う戯言とオフィーリアの悪口ばかりだったのだ。


 後、少し変わったものといえばヒューイの身元調査の要請くらいであった。


 アンドリュー王子をフロイライン王女の婿にというメチャクチャな堤案は彼女自身が望んだといえばそうなのだが、協議中にアバルティーダの中立派も絡んでいて進行が遅れていたのであって、彼女のせいで協議が長引いたわけではない。


 学園内で騎士見習い達に()()を掛けようとしていたらしいが、ハンカチを目の前で落とすという古典的? な手段を(もち)いようとしたせいで、全て間諜達の手により即座に目にも止まらぬ速さでゴミ箱へ処分され、何事も始まることなく終わった。


 侯爵家次男だった近衛騎士へのアプローチは、問題を起こされ優秀な人材を失う前にと辺境伯領に逃がすように手を打った途端に彼自身が辺境伯家の跡取り長女と恋仲になりラブラブのまま入り婿になった為、彼自身が今や当主補佐。




 罪深いかと言われれば微妙ライン。


 迷惑かと言われれば何方かといえば兎に角ウザいだけ。


 逃げ腰で対応すれば棚からぼた餅・・・


 貴族の矜恃を蔑ろにしたといえばそうなのだが、決定打に欠ける。


 そんな訳でいま1つこちらとしても厳しい沙汰が下せる感じではないので対応に困るのだ。



「いや、もうこのまま彼女には国にお帰り願って2度と我が国に来ない事でもう良いというか、正直関わり合いになりたく無いというのが本音です」



 とアンドリューが正直に答える。



 どこから出てるの? と聞きたくなるような『ア゛~~ヤダ』という呟きを漏らすのはオフィーリアで、



「関わり合いになりたくなくても、滞在中はウザ絡みしてきますものねぇ」



 王太子がウンウンと頷きながら



「1度国元に帰れば2度と国外には出せないだろうな。我が国、というか間諜達の優秀さで事が大きくならなかっただけだ。リアの采配ありきだったがな」



 というと



「お褒め頂き、ありがとうございます」



 そう言って軽く膝を折るオフィーリア。



「アンディを(ワタクシ)から奪おうと考えた事だけでも万死に価しますけどね」



 と。にっこり笑った。



 アンドリュー王子は赤面し、王太子オースティンは胃が痛くなった・・・





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ