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33 さあ、皆さんご一緒にッ!

 「アンディーッ! 無事なのーーーッ?」



 オフィーリアの声がどんどん近づいてくる。


 アンドリュー王子が決してソレが幻聴では無いという確信が持てた理由は、真っ赤なロングウィップが周りの逃げ遅れた敵兵を容赦無くなぎ倒し気絶させながら此方に向かって進んで来ていたからである・・・



「退きなさいッ! 邪魔ッ!」


「ひええぇええッ!」


「おどきッ!!」


「うげぇえええッ!!」



 ついでに彼女の怒声も聞こえて来た。


 鞭の餌食になったであろう美しく無い声はこの際目を瞑ろう。


 所詮敵兵である・・・



「ああ。リアだ間違いない」



 喜んでいいのか迷う所だが、間違いなく愛しい人の怒声である・・・



「リアッ! どうしてここに?」


「アンディッ! 早く馬に乗るのよッ!! 今すぐ全員一緒に撤収よーーーーーーッ!!」




×××




 「どういう事だッ?!」



 国王に反旗を翻す為の拠点として使う予定だった廃教会は瓦礫の山と化し、大勢の兵士達が倒れているのを見て愕然としたのは勿論ワイアット・ボーフォート将軍である。



「一体何があったというのだ?」



 周りを見回せば地面には焼け跡があり、倒れた木も焦げて燻り、辛うじて怪我をしていない兵士達が負傷した兵士達を運んでいる。



「閣下、どうやら敵対勢力との戦闘があった模様ですッ」


「そんな事は見れば分かるッ! 当たり前の事を態々言うなッ!!  問題は何処と戦ったかということだろうがッ!」



 額の血管がキレそうになるボーフォート。


 体型がポッチャリさんなので色々とヤバそうである・・・



「意識のある兵から聞き取りを行った所、最初戦ったのは40人程度の小隊だったらしく足止めをするために弓で攻撃中にいきなり教会が崩れた後で、花火が上ったそうです」


「? 花火?」



 報告している士官も微妙な顔で



「はい。打ち上げ花火が上がったそうで、ソレが地面で暴発したらしいです」


「・・・待て。誰が花火を打ち上げたんだ? しかも真っ昼間に? イヤそうじゃ無い、何でココで態々花火を打ち上げるんだ? 我々はクーデターを起こす為に集まったんだぞ? 誰が祭りを始めたんだ?」


「分かりませんが、その後煙が充満して視界が悪い中、赤い鞭のようなモノで意識のあるものは気絶させられたと・・・」



 読み上げる為の書類を捲る手が段々躊躇いがちになる士官兵。



「一体どういう報告なんだッ?!」



 どういうというか、聞き取りをしてその通り報告しているだけである。


 彼のせいでは無い。



「はぁ。あとは女性の声が聞こえたという報告があります」


「・・・どういった声だ」



 額を抑えて怒鳴りたくなるのを堪えるボーフォート将軍。



「えー・・・『おどきッ』『退きなさい邪魔ッ』です」



 非常に言い難そうに答える士官・・・



「他は?」


「気絶して覚えていないそうです・・・あ、ありました『ヒャッハー』です」



 彼は調書を捲る手を止め将軍の顔をこわごわ見たあと



「以上ですッ!」



 敬礼をしてお茶を濁す事にしたらしい。




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