表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/55

26 婚約白紙撤回?! 〜アンドリュー王子視点〜

 リアと会えなくなってから、早くも2週間が過ぎてしまった。


 彼女の美しい金色の髪を見つめては、毎日々々溜息をつく自分は女々しいと自分でも思う。


 あの日、国王である父と王太子の兄の2人に私は呼び出された――




×××




 「実は調べた結果分かったのだが今回の会談で、国境線の変更を要請して来たのはヴァルティーノ王国の軍部だったんだ」


「は? 何故軍部が?」



 国を守るのが勤めである軍部が何故国境を動かす事を要求するのか? 条約の巻き直し前である10年どころか建国以前から動かした事の無いお互いの防衛ラインなのだ。


 それを一部だったとしても動かすのは現実的ではない。


 元々が険しい山脈の中にある国境に沿って大きな礎石や塀があるだけでなく、物見櫓や場所によっては軍事要塞もある。

 


 ひょっとしてソレが狙いか?



 軍事要塞は国境の警備だけでなく、若い兵士達が山中での模擬演習の際に寝泊まりする場所でもあり東西に走る国境線の丁度真ん中辺りに位置している上に、入出国の際の検問所も兼ねていて、我が国にとって非常に重要な建物である。


 そこから真北に進めばヴァルティーノ王国、北東に進むとスティール王国、北西に進むとカティール共和国に繋がる街道が集結している場所でもあり、ある意味我が国にとっても他国への流通の出発点だからだ。


 ヴァルティーノ王国はその拠点を動かし街道を()()()()()というおかしな申し出をしてきていたのだが、ソレが受け入れられない場合の代替え案が私を()()フロイライン王女の伴侶として迎える事で縁を繋げ国境の警備を我が国に強化して欲しいという事だったらしい。


 確かにヴァルティーノ王国に向けて伸びている山中の街道に最近賊が出るという報告が上がっているらしいが、国境を挟んだ我が国やあと2国の街道沿いではその様な報告は上がって来ていない。


 ()の国と我が国の国力はほぼ対等であり、確かに軍事力は多少此方が上回るかもしれない程度だ。


 言葉は悪いがその僅かに上回っている軍事力で我が国に自国の防衛をさせようという魂胆だったのだろうが、結局我が国の中立派が国家間協議に欠席した途端に貴族派と国王派の猛反対であちら側からの草案は取り下げられた。


 その後我が国の中立派の一部がヴァルティーノ王国の貴族家との癒着が発覚し、関わりのあった我が国の貴族家は、ほぼ検挙され4年前のスティール国との争いの内通者も見つかり再逮捕に至った。



 だが、問題は我が国の中だけではなくヴァルティーノ王国やスティール王国の中枢にまで及んでいるという現状だ。



 しかも先の戦争にもヴァルティーノの将軍、ワイアット・ボーフォートがどうやら絡んでいるというところまで調べが進んだ。



 ヴァルティーノ王国も問題を軽く扱う気は無くボーフォートを現在軟禁しているという連絡はあったが、その将軍の側近と例の王女が手紙でやり取りを頻繁にしているという知らせがヴァルティーノの王家から今朝あったらしい。



「でさ、アンディ。あの王女を懐柔してくれないかな?」


「何で私が?」



 笑顔の兄と渋顔の父を思わず見比べる。



「あの王女がアンドリューを気に入ってるからだ」



 父が額を抑えながらそう云うので



「私には婚約者がいます。倫理的に未婚の王女に近付く事など出来かねます」



 と返すと、兄が



「じゃあリアと婚約を白紙にしてくれない? だったら問題ないからね」



 そう言い放った――




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ