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25 お手伝いしますよ?

 「皇子殿下、突然ですね・・・」



 慌てて東の離宮に訪れた王太子(オースティン)



「や、オースティン兄ちゃん久しぶり~。お忍びだからお構いなく! お願いだからなんにもしないで放っといてね♡」


「しかし、こうやって見るとリアと皇子はよく似てますね」



 応接セットのすぐ横にある執務机の上の書類を、マッハで処理する黒髪のオフィーリアと目の前の皇太子(ヒューイ)を交互に見て感心する王太子(オースティン)



「デショ? 俺も吃驚したわ。赤ん坊の頃は2人共がハゲててさ、そっくりだったけど髪の毛生えたら色違いになったんだよねって爺ちゃん達もよく言ってたから、似てるんだろうなとは思ってたけどさ~、俺とリアってほんと双子みたい」



 離宮の応接室の2人掛けのソファーに足を伸ばしてお行儀悪くストレッチをしていたヒューイ(本物)がヘラリと笑って正面を向いた。



「なんかさ~『兄ちゃん(前公爵)』を殺したヤツを見つけたかもってハトコ(リア)殿の手紙に書いてあったからさぁ。来ちゃったのよ♡」


「え?」



 顔色が悪くなるオースティンを他所に



「そうじゃなきゃ、いくら親戚でも俺の名前なんか貸せないっしょ? 一応皇太子なんだからさぁ」



 ニヤッと笑うヒューイ。



「俺達は、ハトコ同士だけどお互いに国が違うからさ、どうしても手紙に検閲が入るじゃん? だから子供の頃に暗号を決めてたんだよね。普段それ使ってやり取りしてんのよ。だから今回は高みの見物しに来たんよね」



 そう言いながら肩を竦める皇太子ヒューイ。



「高みの見物ですか・・・」



 苦笑するオースティンにっこりと笑うヒューイは



「この国って死刑がないでしょ? だから()()()に困ったら手伝ってあげようと思ってさ。俺の大事な『兄ちゃん』を殺した(ヤッた)奴なんかこの世に要らないじゃん。でしょ?」


「・・・成る程。裁判はどうしますか?」


「う~ん、状況次第かなぁ。爺ちゃんも親父もその辺りはなんにも言わないデショ。でもま、2人共が可愛がってたハトコの片方の命を不慮の事故じゃなくて、人為的に奪われたかもしれないって知っちゃったからねぇ」


「お2人共知ってるんですか」


「うん。一応国絡みだからさ、ヤベーと思ってさ相談したのよ。じゃ、お前ちょっと行ってこいって言われちゃってさ」


「えらくアクティブですね、皇帝御一家は・・・」



 流石に呆れ顔になる本王太子オースティン。



「そう? フットワーク軽くなきゃ、あんなデカい国維持できないよ」



 にこにこと笑うヒューイ皇子。



「デカいから禍根は残さないように俺等の国は対応しないといけないからね。だからこんなもんだよ」



 10歳年下の筈のヒューイの柔らかな笑顔が急に温度のない、冷たく厳しい支配者の顔に変化するのを目の当たりにして、王太子(オースティン)王太子はオフィーリアの強か(したたか)さはアガスティヤ公爵家より、トリアステル帝国の血の成せる技かもしれないなと、何となく感じた。




×××




 「んでさ、アンディー王子はリアがここにいる事知ってるのん?」


「え? 知らせて無いわよ」


「うっわ、ウッソ、冷たッ! アンディ君、カワイソー! 教えてやんなよー」




 執務が一段落したオフィーリアがお茶の時間を共にする為に、ソファーの方にやって来て腰を降ろす。



「ん~~、どうしようかな~とは思ってるのよ。今、彼は王子宮と軍務棟の行き来しかせずに学院にも行って無いのよね。邪魔しちゃ悪いかなと思ってね。会っちゃうと私も挫けそうじゃない?」



 可愛く頬を染めて首を傾げるオフィーリア。


 それを見て、まるで自分が乙女みたいな仕草をしてるみたいで複雑な気分になり眉を顰めるヒューイ皇子。



「ふうん。例の手紙にあった廃教会の件か?」


「そうなの」



 ティーカップをテーブルから持ち上げて、ローズティーを口に含むと華やかな香りが口の中で広がる。



「例のヴァルティーノ王国の将軍が兵を集めてる場所よ」




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