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17 面倒くさい人達

 翌日。


 貴族学園にオフィーリア・アガスティヤが後期の講義が始まるまで欠席する旨の書状が届く。


 急遽開かれた職員会議の結果、最後に残っていた体術の授業も昨日クリアした彼女は前期の必要単位数を全て取得したことになった為、オフィーリアの長期欠席が許可される事になった。


 翌日から出席の点呼時にオフィーリアの名前が呼ばれなかったのを不思議に思った者達はいたが『下記の者は必修科目の単位取得済みと認める』という張り紙に彼女の名前を見つけて、ああ、成る程と納得した。


 毎年前期後期に関わらず、試験前でもこういった告知が良くある為だ。

 大抵は王族や高位の貴族の子息が多いのだが、オフィーリアが優秀なのは周りも認めていた事なので誰も何とも思わなかったのだが・・・



「オホホホ、アンドリュー様に捨てられて学園にも来れなくなったのね」



 と、声高らかに掲示板の前で高笑いをしていた少女が1人いたらしい。



「ワタクシに負けたからって長期欠席なんて、負け犬そのものですわぁ~」



 まぁ、お察しの通りの彼女である。



「フロイライン殿下、いくら何でも・・・」



 お世話係の令息が止めるのを他所に教室だけではなく廊下でも学園内の食堂やカフェ、売店等でもそう言っては高笑いをするフロイライン。


 あまりにも彼女が繰り返す為、1週間もしないうちにオフィーリアとアンドリューの婚約破棄説が学生の間に広がったのである。



×××



 その頃、王子宮に立て籠もっていたアンドリューは小包の中身を見て叫んでいた。


 差出人はオフィーリア・アガスティヤ。



「リアッ!? 何てことを!?」



 中に入っていたのは何と金色に輝く長い髪の毛で、長さは約40センチ程度。彼女が肩から下をバッサリ切ればこの位であろう事が誰にでも簡単に予測がつく。



「俺がしっかりしてなかったから・・・ごめん、リア。ごめん」



 アンドリュー王子の侍従が沈痛な面持ちで私室のドアからそっと立ち去った。



『愛を込めて。貴方のリアより』



 たったそれだけが書かれたカードが1枚箱の底に残っていたという。




××××



 「お嬢様~、やり過ぎですぅぅ」



 オフィーリア付きの専属侍女マーサが染め粉で彼女の髪色を黒い色に変えながら、風呂場でシクシク泣いている。



「しょうがないでしょッ! あんなに長くちゃ染められないし、カツラに入れるのも無理じゃないのッ!」


「そうですけどぉ、切った髪の毛アンドリュー様に送りつけるのはやり過ぎですよ・・・今頃ショックで泣いてるかもしれないじゃないですか~」


「泣いてるのはマーサでしょ」


「そうですけど・・・」


「アレ見たら流石のアンドリュー様だって、気合を入れ直すわよっ。大丈夫だから。ほらほら終わらせたら次の作業に移るわよ。」



 マーサは黙って頷いた。






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