第365話
ウチは隣国の処刑場で両親と再会した。
そして人種も張り付けにされていた。
何の罪も無い子供がだ。
「おい!娘よ!聞いているのか!!
そんな高そうな服着て!父を助けろ!
お前が今、いるとこの王になってやると
言っているだろうが!」
「そうよ!そうよ!母をはやく助け
贅沢な暮らしをさせなさい!娘が親をさしおいて
いい暮らしは許しません!!」
はあ?
ウチの親達はもうダメだ…
ノーネーム様にとって変わり王になる?
殺してやろうかな!
と、ウチはノーネーム様がした西国の演説を
思い出した。
(獣人、亜人は
人種と何も変わらない。
同族同士でも喜びあい
悲しみあい
愛しあい
憎み合い…
殺しあう
そう、何も変わらないのだ。だから、
この国に奴隷ではない獣人亜人が人種と共に
いるのを嬉しく思う。)
ウチはなぜ最初から
獣人亜人奴隷だけを助けに来たと決めつけて
ここに来たのだろう…
結局ウチも人だ。
人種と同じで、同族同士で憎み合い、殺し合う…
まあ産んでくれた両親への恩で殺しは見逃そう…
本来ならノーネーム様にとって代わるなど
万死に値するけどね。
ウチはボロボロの子供を張り付けから
降ろした。
この子供に罪は無い。
いや、この子の親もだ。
「君には生きてほしい…
もう生きる気力も、家族がいないのもわかってる。
ウチもそうだった…
いや、ウチ達全員そうだったの…」
「じゅ、獣人のお姉ちゃん、僕人種だよ。
獣人から憎まれてる人種だよ、僕はいいから
両親を助けなよ。」
「諦めないで!生きるのを!
ウチは君を憎んでない!君はウチを憎んでる?」
「ううん、僕は家族を処刑した奴らが憎いよ…」
「そう。ならチカラをつけなさい!
戦い方を教えてあげる。」
「え?」
「それでも死にたいなら勝手に自害なさい!!
ウチ達はノーネーム!!
泣く子も黙る、最強最悪暗躍組織よ!!」
「の、ノーネームって、確か
悪いことをしたらノーネームが
攫いに来るよっていう…」
だいたい、どこの親も子供を躾ける
謳い文句になっている。
「そう!!君は生きることを諦めたから
攫いに来たよ!本当の家族がいないのは君だけ
じゃない!悲観に暮れる暇があるなら
復讐の牙を研ぎなさい!と、いうことで
君を攫いに来たよ!!」
と、ウチは言ったのだった。
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