第338話
妾は吸血鬼の女王
漆黒フルプレートからの依頼、
城を孤島に急ピッチで建設し終え
依頼達成から自身の住まいである妾の城、
ダンジョンへ帰ろうとしたら…
バスターソードが妾の足元の地面に突き刺さり
行手を阻まれるでありんす…
び、びっくりしたでありんす…
「あ、あのぉ…まだ妾にご用がお有りで?」
頷く漆黒のフルプレート
「な、なんでありんしょうか…?」
城を指差す漆黒のフルプレート
「ま、まさか…
妾にも住めと?
あ、いや、す、住んでいいんで
ありんしょうか?」
妾は冷や汗が出る
本当なら住みたくない…
こんな化け物級に強い化け物と一緒に住んでたら
気が休まらないし、絶対になにかに巻き込まれる
でありんす…
だが…
正解とばかりに頷く漆黒のフルプレート
「…」
い、嫌でありんす…
強制でなければ断りたい…
対価を支払うくらいだし
理知的なのは間違いない。
丁重にお断りしたら、わかってもらえる
はずでありんす…
意を決して妾は
「あ、あのォ…大変嬉しいのですが…
今回はちょっと親が心配すると言うで
ありんすか…そろそろ家に帰らないとで…
だから今回は「ぐるあぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
「ひっ!」
妾が嘘の言い訳を喋ってる最中に
耳をつんざくような凄まじい咆哮が空から
聞こえてきたでありんす!
い、一体なにが…
本能からか、妾の足は震えている…
震えながら上空を見上げると…
そこには…
ど、ドラゴン?!
漆黒の巨大なドラゴンが孤島に飛来してきたで
ありんす!!!
「あ、あ、あ…」
あれは!?ま、まずいでありんす!
に、逃げないと…
腰を抜かし後ずさりする妾。
すると漆黒のフルプレートが
妾を庇うように前に出てくれたで
ありんす。
そ、そうだ!守ってもらおう!
この城に住んだら守ってもらえるかも!
「住みます!住みます!
ぜひお城に住まわせてくださいませでありんす。
だ、だから、妾を守ってほしいでありんす。
あんな覇気を纏うドラゴンに敵わないで
ありんす。お願いしますお願いします。」
漆黒のフルプレートはドラゴンに
こちらにくるよう手を振る。
よ、良かった討伐してくれるでありんすね!
そして、
「ドシンっ!!!」
と凄まじい着陸音と地鳴りがし
漆黒フルプレートの前に立ちはだかる
漆黒のドラゴン。
お、恐ろしい…
また新たな化け物登場とか
この星はヤバすぎでありんす!
はやく建設した城にでも避難したいでありんすが
さすがにそこまで薄情な態度をとったら
庇ってくれてる漆黒のフルプレートに
呆れられるかも知れないでありんす…
と、漆黒フルプレートは漆黒のドラゴンに
手をあげて…
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