第334話
妾は吸血鬼女王
漆黒フルプレートが、主の覆面のために
城を建設するからと妾はお手伝いすることに。
なので全眷属を引き連れダンジョン外へ
約千年ぶりに出たでありんす。
ガヤガヤと人種共が集まって来たでありんす。
今回は人種だけの星でありんしたか…
以前千年前は魔物の星でありんしたっけ?
永い月日が立ち忘れたでありんす。
はやく漆黒フルプレートに妾の言ってた孤島は
勘違いで、この星ではなかったと伝えねば!
「と、止まれ!!ま、魔物?いや、人型か?
人間には見えなくもないが…」
戸惑うアメリカダンジョン警備員達。
人型や知性がある魔物の存在は
配信者達により認知されている。
「いかにも。妾は始祖を先代に持つ
真祖吸血鬼の女王でありんすえ。」
「なっ!!な、なら…尚更地上に出すわけには…」
「うるさい人種共でありんすね…
急いでるのに!!眷属よ!」
と妾は眷属に、指示を出し
警備員を襲わせる。
「ぐわー!」
「な、なんだ?こいつら?」
「や、やめ…」
と、完全武装した眷属に瞬く間に制圧された
警備員達。
「こいつらは雑兵でありんしたね。
漆黒のフルプレートや、覆面みたいな人種なら
逃げの一択でありんしたが…」
と、妾は戦闘は眷属達に任せ様子を
見ていると…
「ヘイ!このアメリカでそれは許さないぜ!」
と、一際体格がいい上半身裸にピチピチのレスラー
パンツを履いている金髪刈り上げの男が
一体の眷属と善戦していた。
「なんでありんすか?えっ!?」
妾は一瞬ビクっとなる。
漆黒フルプレートの中で寝ている
覆面に以前の格好がちょっと似ていたからだ。
以前覆面とダンジョンボスの間で
完膚無きまでにやられた記憶からか冷や汗が出る。
「ん?
オレはアメリカンレスラーのチャンピオンだ!
ギルドランキング1位だから
魔物には負けられないぜ!」
と、アメリカ少女をリーダーに率いる
ランキング1位のメンバーアメリカ男子が
魔物氾濫からの救援要請に
一番に駆けつけていたのだった。
補足
ダンジョン内は約百年周期で
神のイタズラか不明だが移動することがある。
突然ダンジョンが新しく出来たり
移動したりと、突然変異する仕様。
最深部にあるダンジョンコアを破壊したら
ダンジョンは崩壊するが、そうさせないよう
資源やアーティファクトと無数に出現する。
同じく魔物もリポップ。
ボスは長年の時を得て自我に目覚める者や、
何かしらの理由で連れてこられた魔物もいる。
それらが階層を守護し最終的にはダンジョンコアを守っている。
なんのために神はダンジョンを作ったり
守ったりしているか、
百年周期で別の星にダンジョンが移動したり
技能、スキルを授けたりしているかはいまだ不明。
地球にダンジョンがはじめて表れたのは
西暦1925年くらいとなる。
もしかすると、別のダンジョンが近々
新たに表れるか、移動してくるか
人類には今だ知る由もない。
ちなみに地球のダンジョンは一つしかない。
各国に入口があるだけで、すべて同じダンジョン内
に繋がっている。
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