第328話

黒騎士の漆黒フルプレートこと鎧さん。

その正体は神界の特級呪具。

漆黒の魔力で全てを蹂躙出来るチカラを持つ

インテリジェンスウェポン。(知性ある武器)

異世界最強といわれる

主人公クロノの父親パパン王さえも

装着することは許されない。

ただし主のクロノが許可した者だけは

装着を許される。

ペットのドラゴンは漆黒のアーマード、

ドラゴンにしたりして遊んでいた。

クロノが魔力0なのに漆黒を操れるのは

全て鎧さんのおかげだった。

無機物ながらもクロノを絶対の主としている。

黒騎士として愛用している

屋台で買ったおもちゃのバスターソードも

漆黒を当てられ続けたせいで、

少し前から自我を持っている。

主のクロノはまだ知らないが、

鎧さんは今回の主との模擬戦で気づけたのだった。

バスターソードはいま

黒騎士の周りを回転しながら浮遊している。

主はいま鎧さんのフルプレートの中で寝ているから

護衛も兼ねて。

なんとなくだが、バスターソードは

まだ主に意志のある武器、

インテリジェンスウェポンとバレたくないらしい…

主から気味悪がられたり、対応が変わったりとかは

無いのだが今はまだ普通の武器として扱って

ほしいみたいだ。

そして鎧さんは

いま主のクロノが日本に居場所がないのを

知っている。クロノがしたいようにするのを

見守ったり、漆黒の魔力を貸したりと

それだけが存在意義だった。

主を害するなら決して許さないが、

主が決めたことには基本的に口を出さない。

まあそもそも喋れはしないが…

日本にも無差別に危害は加えないと

宣誓してたし…

なので特に日本に思うことはなかった。

主の意にそぐわないことはしたくない。

それなら主が目を覚ましたとき

地球での快適にすごせる居場所を、　

と考えた鎧さん。

ただ国という場所に所属すれば

少なからずルールだったりしがらみだったりと…

また好き勝手したら日本みたく追放もありえる。

主は自由を好んでいらっしゃるのに！

ならば無人島に主の国をつくろう。

異世界での漆黒の仮面、ノーネームみたく。

と、ノーネーム構成員みたいな考えになる鎧さん。

それに主は言っておられた。

ギルドにいる女児の母親が

ダンジョンの魔物、オーラ騎士に好意を

寄せているのを大変喜んでおられた。

ならば魔物の国を作ったらもっと喜ぶのでは?

もちろん知性があり、主に忠誠を

誓える魔物だけを厳選しなくては！

と、考える鎧さんだった。

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