第324話
黒騎士から無数のダークメテオがオレめがけ
飛来する中
オレにはもう武器は無い。
血塗られた愛刀にはヒビがはいり
いまは異空間で眠っている。
もうあるのは己の鍛えた肉体のみ!
あとは折れない意志と覚悟だ!
「そう教えたよな?
なあブタオ!!!ウオオオォォォ!!!」
オレは両手の拳をチカラいっぱい握り
腰を落とす。
汗が一瞬にして蒸発し白いオーラが出る。
更に体温が急上昇しオレの身体は
全身真っ赤になる。
オレは魔力0、身体強化すら使えない。
だからこれは身体強化ではない。
肉体の覚醒化。
普段チカラをセーブしているのを
全て解放するだけ。
さながら覚醒闘神化だ。
白いオーラから血の沸騰により
赤いオーラへと変色する。
髪も漆黒の黒が赤く染まり全て逆立つ。
東国の姫に
顔バレしたくないから覆面レスラーの熊の
被りものを被っているのだが、
ソレを突き破り髪が出てきた。
熊の被りものには限定(無)で
損傷しないようにしていたが、頭の部分に
するのを忘れていたオレ。
まあいっか。
顔が隠れるならそれでいい!
「いくよ!」
と、オレは瞬神をさらに越える速さで
空気を蹴り駆けた。
黒騎士は漆黒のバスターソードで
ガードしていたが
それごと蹴りで吹き飛ばした。
全ての音を置き去りに…
時が止まった感覚になる。
空間を削り取りながらの渾身の蹴りだ!
だからどんな防御さえも貫通する。
バスターソードと黒騎士の胸部分は凹む
どころか抉れていた。
さすがにオレに殺意は無いから
寸止め。振り切らなかった。
黒騎士は致命傷とかにはならないだろう。
殺意を乗せていたら多分黒騎士は
跡形もなく消滅する気がする。
これは予感ではなく確信だ。
寸止めの蹴りだったが黒騎士は起き上がらない。
その間にオレの頭上に降り注ぐ
無数のダークメテオを
粉砕するべく、オレは拳を握り
「破っ!!!!」
と拳を突き出し衝撃波で次々と粉砕していった。
黒騎士はなかなか立たない。
というよりもう微動だに動いてない。やったか?
その隙に無数のダークメテオを
全て粉砕し続けた。
「ハァハァハァ…」
さすがに疲れた…。
どれくらいの時間ダークメテオを粉砕していたか
わからない…
軽く億は超えていたが
数えるのが億劫なるほどあったわ…
(…)
(す、すげえ…)
(血塗られた愛刀さすがに限界か…)
(てか一番隊組長って誰?真名らしいが)
(知らん)
(次はダークメテオ。漆黒の隕石が次々と…)
(クロノの負けだな…)
(クロノからオーラが?!)
(赤いオーラ?!◯王拳10倍か?
かめ◯め波でも打つんか?)
(身体強化か?)
(いや、アメリカ少女の堕天、
覚醒漆黒化に似てる…)
(まさに闘いの神みたいだ…)
(なら覚醒闘神化か…)
(さっきからブタオブタオってクロノ言ってるけどやっぱり知り合い?)
(ブタオに対して教えたって言うくらいだから師匠じゃね?)
(なら黒騎士にブタオは討伐されたから
黒騎士は仇か?)
(まあ、あれはブタオが性犯罪者だから仕方ないだろ)
(クロノのほうが一般人殺害してるから犯罪者だろ)
(師匠がクロノなのは世界ランカー東国の姫だよ。
公式で公表されてる。)
(別に何人弟子いてもいいだろ!)
(黒騎士起き上がらないからクロノの勝ちか?)
と配信は賑わっていた。
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