第243話
ママンと妹の合せ技、
ブリザードがオレに迫る中。
「わたしの元に飛来せよ!」
と、胸に拳を持ってきて指を二本出す。
まるで忍術みたいにカッコつけながら言ったオレ。
国、いや星の外から
隕石を漆黒の引力で引き寄せ
大気圏に突入させた。
すると上空の雲から
ぬっ!と、火だるまの隕石がゆっくり顔を出す。
かなり巨大だからみんな
「きゃー!!」
「うわー!!」
「この世の終わりだ!」ってビックリしてる
よしよし!受けてる受けてる!
満足気な笑みを浮かべるオレ
するとパパン王、騎士団長
魔法師団長、メイド長、じいや
みんなが一斉に隕石へ魔法を放つ。
火だるま隕石を破壊するつもか?
オレが妹より目立ったからだろうか…。
家族は身内に甘いからな
だが!
「そうはさせん!ダークメテオ!」
と、隕石を漆黒で包むオレ。
そんじょそこらじゃ破壊出来ないよう
強度を増してやった。
くっくっく!
アテが外れたな!
妹やママンもオレに向けたブリザードを
止め、隕石破壊に家族総出でチカラを向けていた。
「フハハハハ!!無駄無駄無駄!!」
オレは悪役みたいに笑う。
すると…ママンがこちらに
近づいて来て、ポコッ
と、オレの頭に優しくゲンコツ
メッ!
と、叱られた。
「う…」
少し悪ノリが過ぎたか…
頃合いか…
「爆ぜよ!!」
とダークメテオを、空中で爆発させ
花火みたいにした。
もちろん余波が来ないように
障壁を張ってある。
鎧さんこと漆黒のフルプレートが。
と、こんな感じでいいだろうか?
妹はもう、床にペタンと膝をついていた。
花火に見惚れてたか?
インパクトはすごかっただろう。
あ、でも実力、チカラを見せる試験なのに…
真面目にやらず余興となると頑張れる。
ま、いっか。もともと受かるつもりは
ないし失格にしてもらおうか。
すると
「いまの巨大隕石は旅人の仕業か…?」
パパン王が汗をかきながらオレに問いかける。
「ああ…お望みとあらば無数に
降らせれるが?」
と、旅人バージョンの
オレは言う。
もっと盛大な花火にも出来るよ。
「いや、よい…旅人のチカラはしかと見た。
これにて試験は終了だ!!」
ゴーーン!!と、ゴンドラが鳴りパパン王が
試験終了を宣言した。
一応最後に
「わたしはちなみに、この試合棄権する。
最後、王妃に叱られたからな。
護衛対象が不満を持つなどもってのほかだろ?」
と、最もらしい屁理屈を言い敗北宣言した。
これで試験は受からないし、
辞退したつもりだ。
後日オレは王家直属部隊
総隊長に任命されていたのだった。
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