第242話
妹のかまいたちが
四方八方から来た。
オレは自身を覆うボロい布を
破られてもアウトだ!
民衆達が
「次期女王陛下が模擬戦相手かぁ…美しい」
「オレは巨乳派だから王妃様派だ!」
「ロリコンをバカにするな!」
「にしても、試験受ける奴
いかにも旅人って感じの風貌だな」
「いきなり王直属部隊だし…受かるか?」
「今は王妃様の護衛らしい。実力はいかに…
まあ王妃様推薦だし、強いだろ。」
「実力でいえば次期女王陛下は3番目だ!
いい勝負になるといいが」
「1番は英雄王、2番手は騎士団長だろうな。
瞬殺されるなよ旅人!」
と騒いでいた。
オレは気合いを入れ漆黒のオーラを出す。
それが立ち昇り大気を振るわせる。
そして拳にそのチカラを集め
おっと…いかんいかん!
このまま繰り出したら
余波でいろいろ被害が出たらいけない。
だから遊び心で、漆黒のオーラを
龍の形に模し
「せい!!」
と軽く正拳突きならぬ黒龍拳を放った。
日本探索者クロノのときに使った技だ。
ドゴゴゴゴッッッッ
と、地面をエグリながら拳圧が
見えない風の刃かまいたちを粉砕。
さながら龍みたいにうねりながら
かまいたちの全てを飲み込みこんだ。
「…」
アレ?
会場が静まりかえる。
そしてなんと、
セコンドのママンが乱入し
手のひらを黒龍拳の黒龍に向け
氷漬けにした。
が、あっさり喰い破る黒龍。
いや、別に危害をくわえるつもりないから…
実力を見るだけだよね?
とりあえずオーラで出来ている黒龍を霧散
させといた。
鎧さんこと、今は漆黒のフルプレートが。
「ま、ママン…
旅人さん、ちょっと強すぎない…?」
と妹が明らかに動揺していた。
「あらあらうふふ」
と、ママンは妹に微笑む。
それで妹は精神的落ち着きを取り戻した。
「ありがとうママン。
旅人さん!
次は全力でいくね!」
と妹は風魔法を昇華し
竜巻を創り出した。
ママンはその竜巻の中に氷魔法を放ち
ブリザードとなる。
あれ?いつの間にか2対1になっとるがな?
まあいいか、プロレスみたいな感じで
乱入なのかな?
見物人もたくさんいるし、
みんなを楽しませる
パフォーマンスに切り替えたのか。
パフォーマンスかぁ…
西国の漆黒太陽ダークフレアは
ぼう発、大爆破で失敗したから
それを次ら活かしてみるか!
胸に拳を握り
指二本突き立てた。
特に意味はない
なにかしますよってパフォーマンスだ!
そして
「わたしの元へ飛来せよ!!」
とオレは言ったのだった。
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