第213話
わたしは東国の姫
深層35階層の
フルプレートオークにトドメを刺したつもりが
油断して危うく犯されそうになった。
けど、黒騎士殿が来てくれて助かったわ。
今は意気消沈としながら寝てたら
また先ほどの恐怖が襲いかかる。
王子を諦めてはいないが
心が折れそうになる…
いつの間にか泣き疲れ眠ってたら…
頭を撫でられ…
涙を拭われる感触がある。
夢か現実かわからないけど
多分夢だと思う…
身体が、思うように動かない…
目もうまく開けれないけど
ぼんやり…
なんとなく雰囲気が見え…
王子?!
いや、顔はハッキリ見えない?!
雰囲気は黒騎士殿っぽい…?
いや身体の大きさが全然違う…
黒騎士殿は身体がかなり大きい。
背格好はノーネームだけど
仮面はしてない。
そういえばノーネームと
王子の身体付きは似てる…
王子が仮面を付けたらノーネームに
見えなくもないけど…雰囲気が全然違うし。
夢で目の前にいるのは
ノーネームの顔に漆黒のモヤがあり
雰囲気は黒騎士殿という
わけがわからい感覚になる。
王子とは雰囲気が違うけど、
でも
でも…
いま目の前にいるのは王子?
夢だからか、そう思える。
ノーネームも黒騎士殿も
王子ではない。
それは理解してる。
「お主、わたしの夢の中に
会いに来てくれたの?」
「ああ」
「やっぱり…
嬉しい…嬉しい嬉しい!!」
やっぱり王子だった!
違う人みたいな感覚が今だに取れない…
けど王子だった!認めてくれたら
はっきり王子と認識出来るようになった!
夢なのに涙が止まらないわたし
「もう、オレ… オレ氏のことは
諦めろ…」
「わたしのこと嫌になったの?」
「違う!オレ氏は討たれた…
黒騎士に…」
「ならわたしも死ぬ…
お主が生きていないなら
生きてても仕方ない…
お主の元へ今から参るわ!」
「だめだ!!それだけは!!」
「なんでなの?」
「…オレ氏はもう死人だ…
お前は新しい幸せを掴め!掴んでくれ」
「…」
わたし、王子は死んでいるのではなく
別人として生きていると思う。
オレ氏の一人称からオレと今言ってた。
たしかに王子としてはもう死人。
今更生きていたとなればまた戦争の火種になる。
だけど生きているのは確信がある。
前に抱いてもらえたから、わかるの。
「ねえ、いまから…夢でいいから抱いて
わたしを犯して…お願い…」
「そしたらオレ氏を諦めるか?
今後自分の幸せのために生きると誓うか?」
「ええ!誓うわ!」
と言うと身体の自由が効くようになる。
うん、でもこれなんか多分夢じゃない気がする!
いろいろ不自然な点が多い…
とりあえず気づいてないふりしとこ。
わたしはすぐ王子に、キスをしながら
自分の寝巻きをすぐ脱ぐ。
ずっと
ずっと、
ずっと…
逢いたかった。
どんな方法かわからないけど
わたしの夢に会いに来てくれた王子。
最初は別人に思えたけど…
なんでだろう?
まあ、いいわ!
だけどこれは現実。
わたしの夢の中だけど現実なの。
わけがわからないことだらけだけど、感覚で
そう思う。
絶対王子の仕業だと思う。
もう愛撫なんて待てない…
今まで待ち過ぎた…
わたしの身体が
夢の中だけど、この現実の王子を求めてる。
全細胞が訴えかけてるのがわかる。
この人の全てを受け入れたいと。
いますぐわたしの中に挿れたいと本能で、
あそこが疼く。
すぐに王子のズボン、下着を脱がし
王子を押し倒し…
わたしの中に王子のをあてがう。
王子がわたしの中に入って来てくれる。
気持ちいいものなんてレベルではない…
幸せなんて言葉では済まされないほどに
全てが満たされる。
夢の中なのに意識が飛びそうになる。
わたしは唇を噛んで必死に耐える。
ずっとずっと待ち望んだ全てが
報われて、身体が溶けてしまい
王子の感触を全身で味わう。
ある意味麻薬だった。
今日フルプレートオークに犯されそうに
なった恐怖など綺麗さっぱりなくなっていた。
幸せすぎる…
それだけで絶頂に何回も何回もいかされる
「だ、だめ!もう!」
王子はただ優しく微笑むだけ
わたしの欲を全て受け止めてくれてる。
わたしの幸せを心から願ってるのがわかる。
これ…わたしが王子をどこから
どう見ても犯してるわね…
まあいいかしら!
たくさん待たされたんだから…
わたしは王子との初夜よりさらに
激しい快楽に襲われ一瞬で果てそうに
なるけど王子の顔を抱きしめ
わからないよう一瞬、爪で
自分の髪の毛を一本切断し爪の中にいれる。
快楽に抗いながら機転を咄嗟に効かせた。
そして、絶頂にも抗いながら
最後に
「オレ氏…王子のあなたは諦めるわ…
だけど、オレって言ってた別人の…
お主は必ず探し出すわ!見つける。
そしたら一緒に幸せになりましょう。
これがわたしの唯一の幸せだから…
愛してるわ…あなた…」
とわたしの言いたいことだけいい、
わたしは絶頂を何回も味わされたからか果てた。
最後に王子の驚いた顔がなんとなく浮かぶ。
王子の先ほどの
「そしたらオレ氏を諦めるか?
今後自分の幸せのために生きると誓うか?」
という約束に嘘は何一つついてない。
わたしはぐっすり寝て
気持ちよく目が覚める。
寝るまえの心が折れそうで、
泣いていた悲しい気持ちは今は全くない!
夢の中で王子に会え抱いてもらえたからだ。
でもやっぱり夢じゃない…
夢の中で抱いてほしい犯してほしいと言ったけど、
逆にわたしが王子を犯してしまったわ。
身体に異変はなく
清潔なまま。
リフレッシュなる身体を清潔に
する魔導具な気がする。
なぜなら
夢の中でわたしの髪の毛を一本爪で切断し
爪の中、指との隙間にわたしの黒髪が
入ってたままだから!!
まあ最初から確信はしていたわ。
わたしが挫折、悲しい気持ちを察知し
なんらかの方法でわたしに
夢と思わせて会いに来てくれてたのだと。
この髪の毛はただの確認に過ぎない。
来てくれて本当にありがとう王子。
久しぶりに会えて本当に嬉しかった。
また涙が溢れる
これは嬉し涙だ。
止まらない。
必ず
必ず、
必ず…
また会えるから
探し出すから
見つけるから!
王子はずっとわたしを見守ってくれてる。
改めて確認出来ただけですごく幸せだ。
ただ
なんとなく、
最初に王子と認識する前、
血塗られた愛刀を持っていた、
王子と背恰好が似てるノーネーム。
身体の大きさは違うけど雰囲気は王子に
近いものを感じたわ。
あと、雰囲気が王子な黒騎士殿
この二人が王子ではないけど
王子を知っているのは間違いない!
黒騎士殿とノーネームは面識があるのかな?
ありそうな気がする…
まさか黒騎士殿の中身がノーネームだったり…
いや身体の大きさが違うわ…
だけど黒騎士殿の中身がノーネームなら
わたしを好きと言ってくれたし、
過保護に助けにきてくれるのもなんとなく
理解出来るんだけど
確認のしようがないか…
と
「コンコン」ガチャ
魔法少女が来たみたい。
今日も王子のあなたを探すために
頑張らなきゃ!
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