第200話
自国の異世界
西国帰らずの森、最奥拠点
異世界暗躍組織ノーネームの組織内部崩壊。
派閥が2つ出来て一触即発らしい。
オレは試合えと言った。
みんなはこれから死合うと思っている。
本気で試合をさせ、
ストレス発散が目的だ。
派閥は否定しない。ここは何もかもが自由だから。
ただ憎しみ殺し合いは断じて認めない。
まあ結局亜人、獣人も
考え方は人種と一緒だった。
奴隷のときより今のほうが好戦的に
なってる…。
いいことやら悪いことなのやら…
まあ大量殺戮者のオレが言うんだから
なんとも皮肉なものだが…
相対するは
鬼人オニ、エルフミミ
対
猫人ニャンコ
訓練場VIP席
豪華な椅子に座りながら
「ではお互い悔いが残らないようにな!
さあ、はじめろ!!」
と宣言したノーネーム頭領のオレ。
この試合でストレスを発散してね。
隣には獣人ワン、
飼い犬がいる。
「悔いはもう無いッスか?」
鬼人オニ
「死合う…今日は手加減しない!
2対1もノーネーム様がお認めになられた!
卑怯とは言わせない!」
エルフミミ
「飼い犬様がいたらさすがに、
自殺になるニャん!
けどそれでもミーは構わないニャん!
あと、お前達二人なら多分勝てるニャん!」
猫人ニャンコ
「相変わらずむかつくっスね!
殺すっス!」
「殺す!」
「こちらこそニャん!」
鬼人オニはお得意の身体強化。
額から禍々しい角がはえる。
そしてバトルアックスを構える。
エルフミミは距離を取り
弓を構える。
猫人ニャンコは
フシャーっと威嚇し、
爪を出す。
手には肉球がありプニプニだ。
「行くっスよ!」
バトルアックスを振りかぶる。鬼人オニ
「くらえ!」
不可視の弓を放つエルフミミ
「ニャん!ニャん!」
と適当に縦横無尽に飛び回る
たまたま回避出来てるのか
計算してるのかはわからない。
感覚、野生の感や反射神経は、ずば抜けていた。
猫人ニャンコ
「く、なかなか当たらないっス!」
パワータイプな鬼人オニ
「面倒…」
位置が捉えにくい…
弓だからか、こちらも相性が悪い。
「確かに今までお世話はして
もらった恩はあるニャん!
だけどノーネーム様が関わることは
話は別ニャん!!
悪く思わないでニャん!」
まずは
遠距離支援、エルフミミの背後を
とり背中を爪で切り裂いた
キャットクローだ。
「く、なかなかやるっスね!
誰が戦闘指導したと思ってるっスかね!
恩知らずっス!」
「キャア!」
爪で背中を引き裂かれる、エルフミミ
致命傷ではないが、ダメージを受ける。
猫人ニャンコはまだ幼さもあり、
地力
素早さはあるが火力がない。
そして壁を蹴り
くるくる周りながら踵落としを
鬼人オニに見舞う猫人ニャンコ。
が、バトルアックスでガード。
と思いきや
踵落としにはチカラがそもそもはいっていなく、
すり抜けるように着地し
鬼人オニの腹に蹴りを入れ、
またヒットアンドアウェイみたく
距離をとる。
そうしてジリジリ削る作戦みたいだ。
「このままでは分が悪いっス!
相性の悪さもあるから
短期決戦っス!」
「了!」
エルフミミは無差別に
サウザンドレインを空に放つ。
鬼人オニは神経を研ぎ澄ます…
身体には赤黒い
禍々しいオーラが立ち上る…
そして空からサウザンドレインの降る魔法矢の雨
一瞬、猫人ニャンコが矢を防いだからか、
矢の雨がない地面の場所に
バトルアックスを全力投球した鬼人オニ。
猫人ニャンコは、
サウザンドレインが来たとき
瞬時に目視と野生の感で
矢が少ない場所へ移動。
そしてキャットクローで捌く。
またらすぐ移動しようとしたら
バトルアックスが凄まじい速さで投擲されていた。
躱せないと、悟る…猫人ニャンコ。
当たれば真っ二つだろう。
だが
「奥の手ニャん!!
来るニャん!デスサイズ!!」
猫人ニャンコは
武器、大鎌を召喚した。
投擲されたバトルアックスを
大鎌デスサイズで受け止める。
だが、やはりチカラでは敵わず
踏ん張りが効かず後ろに追いやられている。
威力を少し殺せてきたから、
あとはデスサイズの曲面を利用し
威力を下に逃がして。地面に
バトルアックスを突き刺した。
すかさずエルフミミの背後に周り
デスサイズを首に掛けた猫人ニャンコ。
「サヨナラニャん!!」
とデスサイズの刃を引いた。
オレは
試合を観戦していた。
猫人ニャンコ強のさは別にして
めちゃくちゃ戦えてるのに
びっくりした!
あまりの豹変ぶりに本当にびっくりした。
まあ頑張って死ぬほど努力したのだろう。
もう虐げられまいと拠点で足掻いていたのだろう。
サウザンドレインにバトルアックスの投擲が
猫人ニャンコに来る。
ん?さすがに負けたか?
2対1だし
と思ってたら、デスサイズなる大鎌が出現。
そんな幼い顔して
どんな武器だよ!
だが使いこなせてる。
振るうだけではなく
いなしたりも出来ていた。
大鎌デスサイズ、カッコいいな。
もちろん弓や斧、バトルアックスも
甲乙つけがたいくらい好きだ。
そして最後びっくりしたのが、
大鎌デスサイズでバトルアックスをいなし
担いだまま高速で移動したことだ。
大鎌デスサイズを持っていたにもかかわらず…
そしてエルフミミの背後にまわっていた
猫人ニャンコ。
もう勝負はついたな。
オレは一瞬で移動し
エルフミミの首に来た
デスサイズの刃を指の爪一本で止めた。
「そこまでだ!!
よくやった!いい余興にはなったな。」
とわって入るオレ。
いやいや、下手したら死んじゃうから!
そこまでだよ。危なかっかしい!
たかだか試合なのに。
「「「はっ!」」」
と
鬼人オニ、
エルフミミ、
猫人ニャンコが跪く。
「猫人ニャンコよ、お前のは重力魔法だな?」
「はいニャん!さすがノーネーム様には
ばれたニャん!」
やっぱりか、身体を軽くし
素早く移動。デスサイズも軽くしていたり
バトルアックスを受けるときは重くしていた。
オレには猫人ニャンコの動きが不自然すぎた。
「今までの努力が、伺えるな。
よく頑張ったな。まだ試合は続けたいか?」
「…ミーの全てはノーネーム様だけの
ためにあるニャ!その感じだと
続行は望まれてなさそうニャ!
もう満足したニャん!」
とりあえずよかった。満足したみたいだな。
「して、負けた二人だが…」
鬼人オニ、エルフミミを見ると
二人して泣きながら
「「死んでお詫びします…」」
と、うなだれていた。
いやいや大袈裟すぎだから!
試合に負けただけだろ!
オレは二人の元へ行き
抱きしめた。
「お前達の努力も見えた。
一度の敗北で諦めるのか?
また再戦はしないのか?」
「い、いいんっスか?ノーネーム様?」
「いいの?ノーネーム様?」
「ああ。派閥、考えが違うもの同士、
諍いがあるのは大いに結構!
今回のでお互い更に高めあえたな。」
と泣いている少女二人の頭を撫でたのだった。
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