第20話
「うーん…よく寝た!」
と黒騎士こと今はフルプレートを解除した
王子のオレ
「あしたは武闘大会かぁ、パパンめ…
ドラゴン飼うのに
後付で条件出しやがって…
まあいいか。 とりあえずシードにしてもらお!
今日は久しぶりにゆっくりだしな。
あ、まあオレは毎日好き放題
ゆっくりしてるか笑」
と17歳の黒騎士こと王子のオレだが
「オレ氏ニートなう!」
王子のときの一人称はオレ氏だ
本来なら将来のために学業に勤しんでる年齢だが
王立貴族学校 入学式に実は退学した…
まあ元々パパン王が無理やりねじ込んだ
裏口入学だ
元々パリピ共が巣食う世界には
オレは馴染めなかっただろう
ときは遡る
入学式の頃
高級な王族馬車で登校も出来たが
さすが目立つ…
初日から上級生やらなんやらに目をつけられたら
たまらん! だから徒歩にした。
コミュ症を発揮し下を向きながら
登校していたところ…
「や、やめてください!」と女学生
「おいおい、お前みたいな田舎者で魔力の
少なさそうなやつは俺様が
可愛がって守ってやるから
いいことさせろよ イヒヒ」
と貴族であろうデブ学生と取り巻きデブ
女学生は見た目からして平民だろう
平民でも能力があり
試験をクリアできたら入学できる
貴族平民平等を謳ってる王立学園だ
だが貴族は学校に多額の献金をしており
制服の襟にゴールドのラインがある
デブ学生にはラインが二本
伯爵あたりの爵位だろう
「う、う なんでいきなり私が…」
目に涙が徐々に溜まる
襟のラインが真っ白な平民女学生
そのとき
ドンっ
「いってーな 誰だ!!
貴族の俺様にぶつかってきたやつは!
ブヒブヒいわせんぞ!」デブ貴族
もちろん下を向きながら歩いてぶつかってしまったオレ
「…」
「な、なんだこいつ…」
そう オレは王族
献金? そんなレベルではない!
土地や建物はパパンの所有物だし
ここの学園長はただの雇われ
しかも借金でクビが回ってなく ただ大勢のまえでスピーチができる。
という条件でみつけたそれっぽい呑んだくれた、
ただの爺さんが学園長だ。
パパン王がそんな呑んだくれ爺さんに
うちの息子がいじめられないよう
良きにはからえと脅したみたいだ。
おかげで
ピカピカピカピカ
オレの制服…
全部金ピカ…
襟どころではない!
学校指定の持ちもの全てが純金製だ
いやね…オレもおかしいと思ったよ…
だけど学校から指定って言われて送られて
きた持ち物だし…
みんなもそうなのかなあって。
一人だけ服装違ってら浮くじゃん
いじめられるじゃん!
下を向いて登校し 周りに気付かず
デブ貴族にぶつかってはじめて周りをみたら
みんなは指定の黒のズボンやらスカート
白のワイシャツ ジャケット みんな一緒
オレだけ全身ゴールド
「こんの!! 不審者が!
貴族の俺様が成敗してやるー!
くらえ!貴族パーンチ」
いきなり殴りかかってきたデブ貴族
オレは悪意も感じとり
もちろん反射的にカウンター
「ばこんっっ」 鉄球が落ちてきたのかなっていう音…
デブ貴族は顔面が陥没 顔は原型を留めておらず
鼻血を蒔き散らしながら吹っ飛んだ。
「きゃーっ」「うわー」「なんだー」
学校の校門前ということもあり、多数学生もいて
オレは全身ゴールドの不審者ということもあり
平民女学生の証言で
駆けつけた騎士団に御用となった
もちろんパパン王の威光で 即日釈放無罪と
されたが
あれだけ目撃されたのだ、何かしらの処罰は
あるからと その日全身ゴールドの制服で
学園長室にて学園長と
「きみの処分だが こほん、いや 王様である君の父親には非常にお世話になっており寛大な…「あ、やめます」」
学園長の言葉を遮り
オレはゴールドの制服を叩きつけ
その場で着替え立ち去った
そう 入学式に退学だ
ちなみにデブ貴族は帰らぬ人となった…
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