第177話
メイド長は王命により
ノーネームなる賊の討伐を命じられる。
メイド隊の密偵によれば、
自国伯爵領あたりが次は怪しいとのこと。
今回は影に潜みひたすら待ち伏せていた…。
前回は悪党侯爵城が荒らされた後に交戦と
なった。だが今回は先手を打つため待ち伏せたのだ
ただただずっと息を潜め影の中で待つ…
何日たっただろうか…
来た…
黒ずくめの三人
ヘンテコなお面をしている奴が
現れた!
やはり現れましたか。
神器のナイフを影から構える。
今だ!と背後から奇襲。
投擲する。
が、
「投擲!後ろ!」エルフミミ
「うおりゃーッス」鬼人オニ
ナイフが斧でガードされる。
「…」飼い犬こと 神狼フェンリル
飼い犬は少し後方へと下がった。
「お久しぶりです。またお会いしましたね
ノーネームの皆様!」
カーテシーをするメイド服を着たメイド長
「やはり出たっスねえ!
王直属部隊が一人のメイド長っスよね?」
「今回は負けない!」
「…」
「覚えてたんですね。
わたしも忘れていませんよ!
おや?今回は頭領はいないんですね。」
「ノーネーム様は自室でのんびり中っス!
あの御方の手を煩わせたらダメっス!」
「偉大な御方…わたしが漏らすくらい…」
「そうでしたか…それは重畳。
頭領と出くわしたらこちらは逃げの
一択でしたから」
「おや?ノーネーム様の力量がわかるとは
少しは話がわかるっスね!」
「確かに、敵ながら見る目はある」
「そちらの頭領には違う人物を当てる
予定ですので…。あともう一人の方は
人ですか?前とは違う人物ですね?」
前は獣人ワンだったが
英雄王お膝元 自国中央領の危険を一番に考慮し
拠点、ノーネームの次に強い
飼い犬こと、神狼フェンリル
を投入した暗躍組織ノーネーム。
「ノーネーム様の次に強い御方っス!」
「負けない!」
「なるほど、まずは様子を見てられる感じですね」
「次は負けないっス!行くっスよ!」
身体強化をかけ額から角が一本出る
鬼人オニ
「ノーネーム様に褒めてもらう!」
弓を構える
エルフミミ
「行きますよ!!」とナイフを両手に持ち
影に潜むメイド長
「うおりゃーッス!!」地面を割る鬼人オニ
「そこ!」出てきたとこを矢で射る
そして不可視の矢も打ち込んだエルフミミ
「くっ!面倒くさい!!」ナイフで全て捌く。
影にまた潜み手裏剣に変えた。
そしてまた投擲するメイド長
「危ねえっス!」
「何これ?」 と二人は避けたと思ったが
弧を描き背中に被弾し爆発した。
「ぐあああぁぁっす!」
「キャああぁああー!!」
影から出てくるメイド長
「神器を使わせてもらいました。」
次は槍を投げてくる
「うわわわっス!」
「くっ!卑怯な…」ポーションを飲みながら
躱す二人
槍には磁力があり
引き寄せ戻す。
「多彩すぎッスよー
うおりゃース!」砲丸投げの要領で
斧を投げた。
「次は仕留める」矢を空に向かってはなつ
「くッ!」あれは被弾したらまずい
槍を投げ少しだけ軌道をずらし
なんとか躱すが腕に掠り血飛沫をあげるメイド長
そして躱した場所に
弓使いエルフミミのサウザンドレイン
魔法の矢が1000本降ってきた。
「奥の手を使います!」とメイド長
神器でも強力な武器、トールハンマー
神の雷属性。
かなりデカいハンマーを空へ
一振りするとサウザンドレインが全て吹きとんだ。
「ハァハァ…あなた方
末端の構成員もなかなか強いですね…
厄介なので生け捕りは、
諦めこれで終わりにします!」
メイド長がトールハンマーを振りかぶると
もう一人にわって入られた
その黒ずくめの四足歩行が咆哮をあげる
「ガアアアアァァァーー!!!!!」
「ぐっ…かはっ…」
メイド長に、飼い犬こと神狼フェンリル、
神格をもつ神狼の咆哮が直撃した。
なんとかトールハンマーでガードしたが、
目、耳から出血。さらに吐血したメイド長。
鼓膜も破れてないし目もまだ見える
が息耐え耐えだ…
膝をつくメイド長
格が違う…三人目の黒ずくめ。と思ったメイド長
「助かりましたッス!飼い犬様」
「ありがとう。飼い犬様」
「前はやられたッスからね!
仕返しッス!」顔面に蹴りを入れる鬼人オニ
「飼い犬様ありきだけど、勝ちは勝ち!」
矢を放ちメイド長の手を地面に縫い付け
逃げられないようにした。エルフミミ
「ガハッ」と顔面を蹴られ吹っ飛び
手には矢が刺さり縫いつけられる
「キャァァァ、ァ、ァ…!!!」
そして黒ずくめの三人目がメイド長の目の前にいて
即座に対応出来るよう待機してる…
もう勝ちも、…いや撤退も無理だろう…
「う、う…坊ちゃまに…最後に
一目だけでも…お会いしとうございました…」
メイド長は泣きじゃくる。
自分が助からないのを悟ったからだ。
「虐げられた者の痛みを思い知れっス!」
斧を振りかぶる鬼人オニ
「そうだそうだ!」
エルフミミ
「…」飼い犬
オレはログハウスでゆっくりゴロゴロしてた
が…ん? なんか悪い予感…
家族の危機か…神経を集中させる。
自国伯爵領あたりか…と急ぎ転移した。
すると…
なぜだ?
なぜだ…?
なぜオレの家族、メイド長を痛めつけてるんだ?
オレは瀕死のメイド長の前にいる
飼い犬を蹴っ飛ばし
それが鬼人オニ
エルフミミにもあたり三人転がっていく。
「大丈夫か?」と縫い付けてある矢を
覇気で消滅させメイド長をお姫様抱っこする
ノーネームのオレ
「あ、あなたはノーネームの…
頭領ですか?わたしにとどめをさしに…」
メイド長
「違う!助けにきた!」
とエリクサーをメイド長にかけるオレ
「ノ、ノーネーム様なぜっスか!?」
「ノーネーム様なんで?」
「なぜ?だと!!多少のイザコザなら良かろう…
なぜ虐げられた、お前達が次は虐げる側になる?
人種にとって変わるつもりだったのか?」
「そ、それは任務で…でも虐げて来たやつら
許せないっス!」
「許せない!」
「お前達の言い分も分かる。だが
オレの大切な人、
メイド長を殺そうとするのなら
このオレが相手になろう!!!」
さすがに大切な家族と言えば
元王子とわからないように
認識阻害がかかってようと、
怪しまれバレる可能性がある。
漆黒の波動を出し
鬼人オニ
エルフミミ
飼い犬を地面に押しつぶした。
言葉を発することも許さない!!
だがこれでは負の連鎖だ…
獣人、亜人が今度は人種を虐げたら
いつかまた人種に反旗を翻えされる。
そして今度はまた獣人、亜人が…
の繰り返しか… チカラとは一体なんなんだ
なぜこうも争う?
だが争いを止める術を知らないオレは
やはりただただ無力だった…
漆黒の波動を消し
メイド長をお姫様抱っこしたまま
無言で立ち去った。
鬼人オニ
エルフミミ
飼い犬は恐怖により
動けなくなり、そして全員失禁していたのだった。
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