第157話 39〜40階層ボス
ノーネームという暗躍組織が
自国だけでなく全世界で、
テロリストとして指名手配
生死問わずとなっていた。
そんなことになってるとは知らずに
日本へ転移したクロノことオレ。
助けた奴隷猫人には、
生きていてほしい…
死にたがっていたが、1日は生きると
約束してくれた。いまは西国、帰らずの森。
最奥で、穏やかに余生を過ごせているだろう。
だが生きていてほしい…ただのオレのエゴだ…。
家族と戦争してまで獣人、亜人を
助けたいとまでは思えない…
だが見捨てることも出来ず…
どっちつかずな考えで、
とりあえずこのモヤモヤを発散したくて
ダンジョンで血塗られた愛刀を振るいたかった。
そう!ただの暴力だ。
いつもはクロノのとき
魔法少女とパーティーを組んでいるが、
今日は一人で深層にいる。
39階層
キラーエイプ、デカい猿だ。
一瞬で小間切れにした。
いつもならここまではしないんだが…。
40階層ボス
オーラを纏う騎士
こいつは確か、黒騎士のとき同行を頼まれ
聖女と厨二病メイドが戦い、敗戦した。
トドメを刺されないよう
黒騎士でわってはいったな。
良い騎士だったと記憶している。
チカラ、速さを合わせて戦う。
血塗られた愛刀がチカラを
出したら一瞬で消しとぶからな…。
鍔迫り合いになり、
お互いに剣閃を繰り出す。
基本に正しい動きな騎士。
邪道かもだが、オレは愛刀を持ったまま
裏拳を繰り出したオレ。
ヒットしグラつくボスのオーラ騎士
そこに腹部へすかさず蹴り
これは試合ではない!
殺し合いなのだ!
オーラ騎士は吹っ飛び剣を落とし、
四つん這いになっていた。
まだ起き上がれないみたいだ…
まるで首を差し出してるようにもみえた。
「いや…いい。
お前には一度慈悲をもらっている子がいてな…
それを今、オレが返そう…お前を倒すのは
オレではないからな」
黒騎士として同行を頼まれ
聖女と厨二病メイドにこの騎士は
トドメをさすつもりが途中わってオレが
はいり止めさせていた。
その慈悲をクロノで返した。
黒騎士の中身はクロノだが
このボスにはわかるまい。
下への奈落41階層への扉が開く
倒さなくても、ボスが敗北を認めたら
下へ行けるみたいだ。
「お前は良い騎士だな…
昔は誰かに仕えていたのか…?」
うなずくボスのオーラ騎士
「自我はあるみたいだな…
ここでなにを成す?
何かを待っているのか?」
ただただ、起き上がれず
膝をついているオーラ騎士
反応はない。
「新しい主はみつけないのか?」
勢いよく立ち上がったオーラ騎士
どうやら新しく使える主を探してたみたいだ。
「そ、そうか…だが、オレにはいらん!
がんばってみつけろよ。じゃあな!」
と言い、オレは急いで
奈落41階層へと降りていった。
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