第11話

「あ、失礼！わたしはこういうものなのだが…」

と徐々に猫背になるギルドマスター

黒騎士の圧に冷や汗、腰がどんどん低くなる。

そして頭をを下げながら名刺をわたして来た。

「うむ」

頷きながら受け取る黒騎士ことオレ

「ここに用があって来られたのか黒騎士殿?」

「ああ…」

「内容をお伺いしても…?　一応ギルドマスターという立場があり、

ある程度のご要望にお答え出来るかとは…」

どうしよう　家出ついでに遊びに来ましたって

とても言えない

だがチャンスだ　

さっきのペットのドラゴンで騒がせたことは

有耶無耶に出来そう！

「くくっ！！」　つい笑みが溢れたオレ

「うっ…」ギルドマスターは恐怖していた

どんな無理難題がくるか

いや日本のためになんとか

無理難題をクリアせねばと！

そもそもあの勇者パーティーの恩人　

いや日本の恩人なのだ！

可能な限り要望を叶えたい！

「…」

「…」

「いや、まあ、その、なんだ…」

「は、はい！」

くっなにが、正解だ?

有耶無耶に出来るココに来たインパクトな用事は…

あ、前の暴漢に襲われた少女、

あの子たち大丈夫だったかなあ?

心配しに様子を見に来た

でいいか?

「様子をみにきた」

「この国のかな??」

「ああ、あ?国?」

適当に、相槌をうったら最後声が裏返ったオレ

「うっ！いえなんでもない…」

冷や汗がさらにでるギルドマスターだった。

しまった踏み込みすぎたか…

だが、あながち間違いではなさそうだな

日本の様子を見にきてる

偵察?　いやあれだけの武力だ　

あまり意味はないだろう…

この国に価値があるか見に来てるのか?

なければもう金輪際　前みたいに助けて

くれなくなりそうだ…

え、何?あの子たちの様子みにきたのに

国?　国民みんなの様子ってこと?　

見れるわけないよー！

スケールデカすぎて！　誰が誰か全く知らんし

自国民ですら誰もわからんのに！

なんかギルドマスターを名乗るおっさんは

汗ダラダラかいてるし風邪か?

移されたら嫌だし　そうそうに立ち去ろうと

ギルドマスターに背を向けると

「待って頂いきたい！黒騎士殿！

わ、わたしにここら辺りの案内を！！

案内をさせては頂いけないか?

見たところ土地勘がないご様子！

満足出来なかったらわたしの首を

差し出してもいい　だから！」

振り返る黒騎士ことオレ

「いらん！！」

絶望にうなだれるギルドマスター

え?なになに?首なんかもらって

嬉しいわけないじゃん！

俺生首コレクターかなにかに思われてるの?

どうしたらそうなるの?

ねえ教えて?

まあ案内は…　はじめてだし道に迷うし…

この世界の金はないから…

なら、このおっさんから借りパクするか！

案内したがりなギルドマスター

ちなみにギルドマスターって本物かなあ?

なんか怪しく思えてきたし…

「クビはいらん！

あ！案内は気分次第だが少しならされてやる！」

超絶上から目線なオレ

まあ許してくれ！　オレは王子　

偉そうに偉ぶる教育を受けている

だが、素はコミュ症なんだ…

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