ダンジョン
パトリックは、ニューガーデン領の領都を目指す事にした。
「銀貨2枚だ! 早く出せ! 無いなら帰れ!」
コレが街に入るのに言われた言葉である。
「活気どころか、人が少なくね?」
街に入っての感想である。
まだ日は高く、普通なら溢れかえっていてもおかしく無いはずである。
パトリックは、冒険者登録をしていないので、ミルコに、冒険者ギルドに行ってきてもらう事にした。
平民出身の兵は、入隊する前は、だいたい冒険者ギルドで仕事をした経験があるのだ。
食べる為、武器の扱いを知る為、理由は様々だが。
そして、帰ってきたミルコの口から、とある報告がもたらされる。
「どうやら、ダンジョンが溢れたらしいです」
ダンジョン。読者には説明不要であろうが、一応説明しておく。
この世界には、魔力がある。
魔力は有りとあらゆるものに有る。
生き物しかり、鉱物しかり。
そして空気にも!
天然の洞窟などに、魔力が溜まると、魔物には、とても住み心地の良い場所になる。
そういった場所で、魔物が発生、または繁殖し、どんどん殖える。
魔物を適度な数のうちに倒し、駆除するのが、兵や冒険者の仕事だ。
どうやら、金をケチって駆除を怠ったらしい。
兵を動かせば金がかかる。
冒険者に狩らせても報酬が必要。
その金は、必要経費なのだ。
それを、ケチって使わないと、魔物が増えて、気がついたときには、手遅れ。
どうやら、慌てて領軍と冒険者を派遣したのだが、返り討ちにあい、大量の怪我人や死者を出したようだ。
領内の冒険者ギルドには口止めし、国には報告しなかったようだ。
商人が来れば、護衛の冒険者も来る。ギルドにも行く。情報が漏れる可能性が上がる。
だから、人が来るのを抑制したのか。
「隠し通せる訳がないのに」
ミルコはギルドの受付嬢に銀貨2枚握らせて、聞き出したらしい。
その場で銀貨2枚をミルコに渡し、続きを聞く。
ダンジョンのほうは、未だ魔物で溢れ、残った兵と冒険者で、街の中に侵入されないようにするので、精一杯の状況らしい。
「王都に帰るぞ! ミルコは8軍をここに連れて来い、俺は陛下に報告して、すぐ戻ってくる!」
ミルコ側2人、パトリック側2人で、慌ただしく街を出た。




